●その2「素人なのにネットで拾った生半可な医療知識をしたり顔で語りまくる」

「新型コロナウイルスはこういう性質があるから、こういう予防法が有効だ」とか「最悪の場合、今後こういう事態が予測される」とか、しょせん何かの受け売りなのですが、SNS上で講釈を垂れる人の多いこと多いこと。スキあらば偉そうな顔をしたりマウントを取ったりして、自尊心を細かく満たさずにはいられないのでしょう。

 講釈を垂れているほうは気持ちいいかもしれませんが、こういう人があっちにもこっちにも出てきているだけに、なんとも迷惑千万です。アテにならない情報が飛び交って世の中が混乱するし、不安をますますふくらませることにしかなりません。自分ではお利口ぶっているつもりかもしれませんが、素人がしたり顔で専門知識を語る滑稽さに気づいていない点で、お利口とは逆の印象を振りまいてしまうでしょう。

●その3「デマに乗せられて右往左往したり、そういう人たちを冷笑したりする」

 何℃以上のお湯がどうしたとか、トイレットペーパーがなくなるとか、コロナがらみのデマが次々と出てきて、そのたびに世間が騒然としています。「コロナウイルスは化学兵器だ」というデマもありました。まんまとデマに乗せられて買占めに走ったりすると、素直だけど思慮に欠けるという人間性が、クッキリと出てしまうでしょう。

 いっぽう、デマ騒動が起きると、乗せられた人を批判する人が、乗せられた人以上に湧いて出てきます。しかし、騒動が起きたあとの一種の後出しジャンケンで「なぜそんな話を信じるのか理解できない」「日本人はどこまでバカなんだ」と冷笑して優越感を覚えている姿を見ると、「似たり寄ったり」「どっちもどっち」という言葉を連想せずにはいられません。冷笑すればするほど、今ひとつ信用できない人間性が漂ってしまうでしょう。

 感染の拡大を抑え込むという意味でも、甘い罠にはまって困った人間性を露呈させないという意味でも、まだまだコロナとの戦いは続きます。前者の「感染の拡大を抑え込む」戦いは、きっと遠からずいい結果が待っているはず。後者の「甘い罠」をめぐる戦いは、たとえ少々負けても命に別状はありません。ただし、コロナ騒動が収束したとしても、この手の「甘い罠」は、ずっとあなたのそばで虎視眈々とチャンスを伺い続けています。