河井前法相夫妻の逮捕は、6月17日の国会閉会後。検察内部では、一時、国会開会中に議員逮捕の許しを得る許諾請求のもと、早く身柄を抑える方法を模索したという。

「許諾請求するには、検察の手の内を国会に明かさないと許諾されない。それを嫌った検察は国会閉会後の逮捕を選択した。それだけ安倍政権の動きを警戒しており、官邸周辺がターゲットという憶測が飛ぶのです」(前出・元検察関係者)

 安倍官邸は河井夫婦事件の捜査の最中、検察をけん制するかのように検事総長など幹部人事を法改正で牛耳ることを狙ったが、目論見は世論の猛反発で断念。逆に、検察サイドの闘志に火をつけた。

「一時、検察は夫妻在宅起訴で一件落着の方向だった。だが、検察人事騒動を機に『桜を見る会』も含め、安倍官邸とガチンコ対決の肚を括ったようです。さらに、検察は綻びが見え始めた安倍首相が随所で弱気になりつつあるという情報も把握している」(同)

 検察が怒濤の攻勢に出そうな裏では、表向き容疑を否認しているとされる河井夫婦の完落ち(全面自供)説もある。

 自民党総裁室へ捜査のメスは入るのか。安倍VS検察抗争は熾烈を極める。