戸叶和男【日本奇習紀行】

 人生最初となるセックス、すなわち「初体験」の記憶というものは、その内容の善し悪しに関係なく、多くの人々にとって、いくつになっても忘れ得ぬものになる性質があるようだ。

「うーん、さすがにこの歳になるとね、昔のことだし、そもそも気恥ずかしいことでもあるから、うまく話せるか分からないんだけども……」

 自身が実際に体験したという、一風変わった“初体験”にまつわる風習についてそう語りはじめたのは、東北地方のとある海沿いの小さな集落で生まれ育ち、現在もなお、当地で貝類の養殖を行っている田村清房さん(仮名・83)。田村さんの話によれば、その昔、当地の少年たちは、赤の他人ではなく、血の繋がった従姉相手に、筆おろしをするという、なんとも不可思議なしきたりが存在していたのだという。

「私もね、そういうことがしきたりだったというのを知ったのは、大人になってからだったのですが、あれは忘れもしない、私が13になった年の春。たしか5月くらいだったと思います。近くに住んでいた母方の叔母がね、蔵の片づけを手伝って欲しいというんです。それで手伝いにいったんですが……」

 蔵の荷物整理という名目で、叔母の家へと出向いた田村さん。彼は叔母の言うがままに蔵の掃除や荷物整理をし、その礼ということで、小遣い銭をもらったという。だが、その後、田村さんには思わぬ展開が待ち受けていた。

「片付けが終わった後で、汗もかいたし、汚れたもんだから、風呂に入っていくように言われて。それで風呂を借りて身体を洗ったりしていたんですが、そうこうしているうちに、その家の9つばかり年上の従姉が入ってきたんです。“身体を洗ってあげるから”って。私もね、色気づきはじめた頃でしたから、恥ずかしくて困り果てたんですけども、なんていうんでしょうかね、そういう恥ずかしさと同時に、自分の裸を従姉に見せたいっていう妙な気持ちも出てしまって……それで結局、体を洗ってもらうことになったんですよね」

 思春期特有の気恥ずかしさと、それを上回る勢いの性的な衝動から、年上の従姉に体を洗ってもらうことになったという田村さん。しかし、最初の方こそ普通に体を洗っていたという彼女ではあったものの、ほどなく“手コキ”じみた行為を始めたのだという。

「そりゃあね、もう、そんなこと、してもらったことがないもんだから、その時は頭が真っ白になりましたよ。けど、そうやってどうしてよいのかわからないような感じになっている私にね、従姉は微笑みながら、あれやこれやとしてくれたんです。そうこうしているうちに、ぴゅぴゅっ……と。そういうわけです」

 従姉による“手コキ”で、人生初となる射精を行ったという田村さん。その後、従姉は田村さんを優しく誘うように自身の中へと招き入れ、彼の筆おろしを行ったのだという。

「もうね、あれから70年近く経ってしまって、その従姉もね、3年ほど前に亡くなってしまいましたけどもね、私はね、今でも、あの時、初めて見た従姉の胸を鮮明に覚えてるんです。変な話でしょう?(苦笑)」

 そもそもなぜ、このような奇妙な筆おろしが「習慣」として生まれ、当地に定着したのかは定かではないが、いずれにしかり、田村さんがそうであったように、当地で生まれ育った少年たちの心には、その貴重な体験がもたらした想いは、今なお鮮明に刻まれているようだ。

文・取材=戸叶和男

以下ソース
https://tocana.jp/2020/06/post_157772_entry.html

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