コロナ禍で、人と接触する機会自体は激減しているというのに、性暴力関連の被害件数は逆に増加している。全国にある性暴力を支援するワンストップ支援センターによせられた相談件数は、コロナ禍の2020年上半期(4〜9月)の相談件数(速報値)が2万3050件と、前年同期より15.5%増加した。今も相談件数は減らない。

つい先日も中学生(小学生も含む)が性的いじめを受け、結果、凍死してしまうという悲惨な事件が報道されたばかりだ。子どもが性暴力の被害者となるケースを考えてみると、家で過ごす時間が長くなったぶん、ネットに接する時間も増えたことで、子どもがSNSを活用し介して受ける性被害・トラブルが(未遂や表沙汰になっていないものを含め)急増していることは想像に難くない。

性暴力の危機がこれだけ子どもたちの身近に迫っている今、果たして学校ではどのような取り組みが行われているのだろうか。

ふと、この春高校に入学した息子が中学生のころの保健体育の教科書をパラパラと読んでみて、愕然としたことを思い出した。

意外に分厚い「保健体育・保健分野」の教科書にあった性教育に関連しそうな項目は「体の発達・発育」と「心の発達」あたりで、全体の2割にも満たない。さらにその項目の全てが性に関するものではなく「呼吸器・循環器の発達」だとか「発育曲線」、「大脳の働き」、「ストレスへの対処」などの項目に紛れて「第二次性徴」や「生殖機能の発達・発育」、「欲求への対処」などという性教育っぽい項目がわずかに並んでいるだけだった。

そこには近年重視されている「性的同意」はもちろん、「セックス」という言葉や「避妊」については項目すらない。

もしかしたら、特別授業のような形で性についての教育が行われていたのかもと思い、息子に尋ねてみたものの「そんなもんなかった」とバッサリ。

「妊娠とか出産についての話とかも?」と聞くと「生物的なしくみについては説明があったかな。あと、家庭科で子育てについての授業はあった。離乳食の作り方や栄養についてとか、幼児の生活リズムとか…」(息子)

セックスについて伝えず、生まれた後の子どもの世話については勉強するのか……。なんかシュールだね、と息子と話した。

現実では、目をそむけたくなるような子どもへの性暴力関連の事件が日々、報道されるというのに……。学校の性教育は私たちが子どものころと1ミリも変わってない現実に、絶望を感じていたとき、思わぬニュースが飛び込んできた。

それは「内閣府と文部省が、子どもの性被害削減のために、性知識と防犯についての教材を公表した」という報道だ。

専門家の協力を得て、学年・年齢に合わせた教材を制作。保健や道徳などの授業内で今年度から段階的にスタートする『生命(いのち)の安全教育』で使うものだという。

「幼児期」、「小学校(低・中学年)」、「小学校(高学年)」、「中学校」、「高校」の各教材と、「高校(卒業直前)・大学・一般向け啓発資料」に分かれており、年齢に応じた「自分の体の大事な部分は他人に見せない」(プライベートパーツについて)や「人との距離感があり、それぞれ異なる自分と相手の感じる心地よい距離感を尊重する」などの性に関する基本的な知識のほか、過去に起こった性暴力の事例、その対応法や予防策について解説されている。

低年齢の子どもたちには紙芝居のような形式の教材を使用し、年齢が上の子どもにはイラストを多用しつつ性被害の具体的事例をもとに被害にあわないための方法や加害者にならないようにするにはどうすればいいかなどをワーク形式やグループ議論で考えさせるなど、様々な工夫もこらされている。

ざっと教材に目を通してみて、率直に「今までとは明らかに違う。国が本気出してきたな」と感じた。先に感じた性教育の現状への絶望的状況に、一筋の光が見えた気がした。

続く

以下ソース
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/82424

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