自民党総裁選が注目される一方、菅義偉首相の実績も考察されています。新型コロナ対策の緊急事態宣言延長を説明した9日の記者会見は、珍しく情に訴えるような口ぶりでした。

 政権の来し方を振り返り、「私自身が内閣総理大臣に就任して1年がたつが、この間、まさに新型コロナとの戦いに明け暮れた日々だった。『国民の命と暮らしを守る』。この一心で走り続けてきた」と切り出し、「本当にありがとうございました」と深々と頭を下げていました。

 コロナとの戦い。それは、何をやっても批判され、何もしなければ事態が悪化し続けるという「無理ゲー」でした。そこで、唯一武器となったのはワクチンです。ただ、これも「不安だ」「遅い」「足らない」とたたかれ、やはり何をしても批判を浴びました。

 遅いのには理由があり、米製薬大手ファイザーが治験を始めた当時、日本は感染者数が欧米と比べて2ケタ違い、後回しでした。

 ただ、今月初めにインタビューした河野太郎ワクチン担当相は「ファイザーは、米国在住の日本人を国際治験の中に入れてくれていた。日本の駐在員や留学生などを百数十人集めて実施していて『日本人も取ったデータがあるよ』ということだった」と明かしました。これを活用すれば、ワクチン接種は早まる可能性もありました。

 しかし、「厚生労働省が『米国と日本では食べ物なども違うからダメだ』といい」治験データが不十分とされ、「再度、昨年10月に日本で160人の治験をやった」(河野氏)そうです。

 以前、昨年の臨時国会での野党の主張を紹介しましたが、厚労省の主張と軌を一にしています。そして、しっかりとした国内治験を行うことが、改正予防接種法の付帯決議に盛り込まれました。

 接種開始が先進各国に2カ月遅れたため、日本がスタートするころには国際的なワクチン争奪戦が展開されていました。契約しても、ワクチンが入ってくるのか危惧されました。そこで活路としたのがトップ交渉です。

 菅首相の4月訪米は、ジョー・バイデン大統領との首脳会談での対中連携が注目されました。ただ、当時、内閣官房参与だった高橋洋一氏は、帰国後の首相の一言を強烈に記憶していました。

 高橋氏は「菅首相は最初に『ワクチン1億本確保』と言った。バイデン氏に会いに行ったのに、1億本の話が先だったので、米国へはそのために行ったのかなと思いました」と語っていました。

 まさに「仕事師」に徹し、ワクチン確保に奔走した菅内閣ですが、国民の情に訴えて行動を促すことはしませんでした。

 英歴史家のニーアル・ファーガソンは、感情が理性に勝る民主主義を「エモクラシー(感情主義)」と表現しましたが、今はエモクラシーの才能がかつてないほど求められる時代なのかもしれません。

 「男は黙って」去っていくのは、時代かもしれませんが苦い後味です。

以下ソース
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/210922/pol2109220001-n1.html

★関連板★
■えっちな話題なら”ピンクニュース”
http://mercury.bbspink.com/hnews/
■新作AV情報なら”AV情報+”
http://mercury.bbspink.com/avplus/