【ナイト】「魂が寒かったんだよ」 めちゃくちゃ詐欺っぽいデリヘル店でコテンパンに搾り取られた風俗好き男性の復讐[02/25]
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―[おっさんは二度死ぬ]―
世の中には信じられないレベルで執念深い人がいる。誰かの執念深さは時に賞賛の対象となる。何か大きなものを成し遂げる際には必ずと言っていいほど執念深さが伴うからだ。スポーツにしても芸術作品にしても大きな成果の裏には極度の執念深さが存在する。
しかしながら、そこに明確な成果が存在するから、その執念すらも成果に内包されて賞賛されるわけだ。では、そこに大きな成果がなかったらどうだろうか。誰からも賞賛されることなき執念深さ、ひとはそれに触れたときに何を思うだろうか。
八王子駅から少し歩いた場所に小さな喫茶店がある。強烈な寒気団が襲った八王子の寒々しさとは別世界といった趣で、店内の暖房は効きすぎるほどに効いていた。ちらほらと舞い散る雪を窓から眺めていると、コロンコロンと跳ねるような音を立てて入口の扉が開き、一陣の冷気が店内を駆け巡り、すぐに熱気へと溶けていった。
「よお! 降ってきたな!」
入ってきた男はこちらの姿を確認すると満面の笑みを見せてそう言った。肩に乗った雪は店内の熱気に触れて瞬時に溶け、水滴に変わっている。
「注意しないとこのまま降り続けたら中央線が停まるかもしれん」
男は向かいのソファに腰掛けながらそう言った。
「中央線だけに注意おうせんとな」
さらに念を押すように言葉を続けた。なんで念を押したのだろうと不可思議な表情で見つめていると男はさらにゆっくりと念を押した。
「中央線だけに、<ちゅうぃおう>せんとな」
ああ、今日は面倒くさいテンションの日だ。即座に悟った。
彼は我々の仲間内で極度の風俗マニアとして知られる徳重さんだ。この徳重さんは普段はただ風俗に狂っているだけのおっさんなのだけど、ひょんなことからダジャレスイッチが入ってしまうことがある。その日の徳重さんにあたるとまあまあ面倒くさい。
「今日はどうしたんですか?」
ダジャレラビリンスに落とし込まれる前に話題を仕切りなおす。徳重さんが僕を呼び出すときは、新しいタイプの風俗にはまり始めた時だ。ひととおり自分の中に起こった風俗レボリューションを語ってくる。おそらく、「いいじゃないですか」と背中を押して欲しいのだと思う。
「いまさ、デートコースってのにはまってんのよ」
「デートコースですか?」
徳重さんが主に利用する風俗店はデリバリーヘルス、いわゆるデリヘルだ。これは派遣型風俗店と呼ばれるもので、ホームページを見て気に入った女の子を指名すると、ホテルなどにその女の子が派遣されてくるシステムだ。規制により店舗型の風俗店が減少していく中でこの形態の店舗を持たない風俗店は全国で爆発的に増加している。
ただし、そこにはビジネスライクな状態が存在する。ラブホテルなりなんなりの部屋に一人で入って、電話をして女性がやってくるわけだ。サービスが終わると女性は店に電話して帰っていく。
「なんか、いかにも風俗店って感じで寂しいわけよ、もっとそうじゃない何かが欲しいわけよ」
徳重さんは熱弁した。そんなもん風俗店なのだから仕方がないわけだ。風俗店が風俗ライクで何が悪いのかという感じなのだけど、徳重さんはそれ以上の何かを求めていた。
「こうさ、寒くなってくると寂しいわけよ。肉体的に寒いのはもちろんだけど魂も寒いわけよ」
徳重さんのような顧客が多いのか、そういった寂しさを埋めるために最近では「デートコース」なるサービスを提供するデリヘル店が増えている。その名の通り性的サービスだけを提供するものではなく、待ち合わせをして食事にいったり観光地にいったりしてデートを楽しむもので、そのあとに一緒にホテルに行って性的サービスを楽しむというスタイルだ。もちろん、デート部分も料金が発生するわけで、きっちりと数時間のデートを経て性的サービスを受ける場合は6時間から8時間分くらいの料金が発生し、店によっても異なるが6万円から10万円前後の料金になるらしい。
続く
以下ソース
https://nikkan-spa.jp/1814702/
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http://mercury.bbspink.com/avplus/ 「この間なんか8時間のデートコースにして女のコと高級海鮮丼を食べに行ったよ」
徳重さんは屈託ない笑顔を見せた。もちろんデートにかかる費用もすべて徳重さん持ちなので、まあまあな金額を使ったのだと思う。
「それが美味い海鮮丼でよう、本当になにか呪術とか使っているんじゃねえかって美味さの海鮮丼で、これがまさに呪術かいせ……」
「ちょっと待ってください! それでそのデートコースがどうなったんですか!」
言わせねえよ。ダジャレラビリンスに陥る前に阻止なければならない。
「でもよ、いきなり知らない女のコとデートコースって難しいじゃん。気が合わなかったらお互いに気まずいしな。だから普通にデリヘルとして呼んで、何回か呼ぶうちに打ち解けてきたとこで「今度はデートコースにしていい?」ってきくわけよ。それでOKしてもらえたらデートコースにする」
「けっこう気を使っているんですね」
「デートコースを楽しむには必要なことよ」
そう言いながらアイスコーヒーを口に運ぶ徳重さんはなんだかハードボイルドでかっこよかった。
ただ、そうなるとなかなかデートコースまで辿り着ける女の子が見つからないらしい。そうそう気が合う女のコが見つからない、そう嘆いていた。ダジャレを言いすぎて微妙な空気になっている徳重さんの姿が僕の脳裏にカットインしてきた。
そこで徳重さんは新規開拓の日々を送るようになったそうだ。
店舗型の風俗と違い、無店舗型のデリヘルは新規オープンの障壁が低い。働く女性と電話回線、そしてPR用のホームページ、そして許認可あとは送迎用の車両などがあれば開業できてしまう。日々、多くのデリヘル店が開業しているわけだ。徳重さんはそれらの新店舗のチェックを欠かさず、日々、仲良くなれそうな女の子がいて店側もデートコースを設定していて、という理想の店を探しているわけだ。
そんな新規開拓の日々のなかで徳重さんはある店に目を付けた。
そこは新しくできた店にもかかわらず、在籍する女性も多く、ほとんどの女性がフルに近いくらいしっかりと出勤していた。ホームページで顔出ししている女性も多く、かなりレベルが高い。他の店に比べてやや利用料金は高いが、かなりハイレベルな店であることが伺えた。もちろんデートコースの設定もある。
しかしながら、風俗経験の深い徳重さんに言わせるとこれは危険な店らしい。一概にそうだと決めつけるわけではないけど、徳重さんのチェックリストにしっかりとひっかかるらしい。なにが危険かというと「詐欺に近い店」である可能性が高いそうだ。
徳重さん曰く、風俗店などのホームページに掲載される女性の写真は、やはりお客が付かないと困るわけだから、ある程度は加工が施されているらしい。かわいく、細く見えるようにして掲載していて、客側もある程度はそれを分かっていて許容している部分がある。
写真の修正は行われるが、さすがにそこまで過激な修正は行われない。それをするとリピーターが付かず、けっきょく立ち行かなくなってしまうからだ。なにごともほどほどにということだろう。
しかし、詐欺に近い店は違う。はなからリピーターを期待しないので、掲載される写真とぜんぜん違う女性がくる。もう修正とかではなく明らかに別人がくる。そこでキャンセルさせてキャンセル料をせしめるビジネスモデルの店もあるらしい。どうせリピーターは来ないので噂が広まった時点で店を畳み、次の店をオープンさせる。開店への障壁が低い無店舗型だからできる技だ。
続く これはあくまでも徳重さんがそういった詐欺店にひっかからないように独自に設定しているチェック項目なのだけど、良い機会なのでここで読者の方にも共有したい。こういった店は危険度が高いそうだ。
@写真の顔出し度合い
風俗店における在籍女性の顔出しは都市部においてはそう珍しいことではない。ただしこれが地方になるほど急激に減少していく。地方ほど世間が狭いので顔出しが難しいわけだ。その地方の都市度合いに対して顔出し女性が明らかに多く在籍している店は怪しいとみるべきだ。その女性は在籍していないのでいくらでも顔を出せるからだ。
A写真の統一性
掲載される写真は店ごとになにか共通したものがあるそうだ。背景だったり、床だったり、照明の明るさ、衣装、ポーズなどなど、店によってどこか一貫したなにかがある。ただし、詐欺店の場合はそんな女性は在籍していないので、自然とどこかから持ってきた画像が使われる。結果、公園みたいな場所で撮影したものやスタジオで撮影したものなど、同じ店なのに何も統一されていないツギハギみたいな画像が並ぶことになる。
B出勤度合い
これはなかなか判定が難しいところがあるが、基本的にデリヘル店においてはそこで働く女のコを確保するのがいちばん大変らしい。つまり新規オープンの店なのに異常に大人数の女性が在籍し、その女性が連日連夜、開店から閉店まで出勤している場合はちょっと疑った方が良いようだ。本当ならば人を集めるのは大変だし、女性たちも休みを取る必要があるのでそんなに出勤頻度も上げられない。ただし詐欺店の場合は、そもそもそんな女性は在籍していないし、なるべく多くの客を騙したいので最大限の出勤を設定してくるというわけだ。
徳重さんはこういったチェック項目を持っていて、これさえ気を付けていれば詐欺店には引っかからない。俺は引っかかったことがないと豪語していた。しかし「デートコース」がよくなかった。デートコースの魅力が徳重さんの判断を鈍らせた。
「魂が寒かったんだよ」
明らかに危険度が高い店なのに、この画像にある清楚な社長秘書風の女性とデートコースを楽しめる、そう思うと呼ぶしかないと思ったそうだ。もちろん、いきなりデートコースではなく、普通に60分コースで呼んで打ち解けていこうと考えた。
「16時に美咲ちゃん指名でラブホテルに入ったわけ。でも2時間以上も待っても来ないわけよ」
そろそろ休憩時間のリミットだしどうしたものかと思っていると、ドアをコンコンとノックする音が聞こえた。
ゆっくりとドアを開けると、そこには指名した美咲ちゃんではなく、たいていのことは暴力で解決しそうな男が立っていた。どうやら美咲ちゃんはまだ初心者なのでお金のやり取りが難しいらしく、先に店のスタッフが利用料金を取りに来たらしい。そういって笑った男の前歯はすべて折れていたらしい。
初心者だから金のやり取りが難しい、のロジックはよくわからないが、徳重さん曰くこれは最大限に危険らしい。なにせ、先に金を渡してしまうことになるので、このあとにくる女性が完全に別人であってもキャンセルはできない。キャンセルできたとしても支払ったお金は返ってこないということだ。これが女性にお金を渡すスタイルであるならば、完全に別人じゃないか、絶対に支払わないという強硬手段も取れるけど、先に渡してしまってはそれもできない。というか、この後に誰も来なくて放置プレイになっても払ったお金を取り戻すのは難しい。
徳重さんは長年の経験で分かっていた。先に男が金をとりに来る店は危ない。それは分かっていた。けれども「デートコース」が良くなかった。その先にあるデートコースが徳重さんの目を濁らせた。
金を受け取った男は「すぐに美咲ちゃん来ますんで」と言い残してエレベーターに消えていった。それから1時間、誰も来なかった。これはいよいよやられた、誰も来ないパターンの詐欺だ、そう考えたとき、ドアがノックされた。
いよいよ、23歳美咲ちゃん、清楚な社長秘書で少し恥ずかしがり屋、がやってきた。ここから仲良く打ち解けていつかはデートコースと、喜び勇んでドアを開けた。
そこには社長秘書はいなかった。徳重さんは詳しくはしゃべりたがらなかったが、動物園の中の動物の3割くらいなら素手で殺せそうな女性が立っていたそうだ。ちょっとよく分からなかったのでバイソンはいけそうでしたかと僕が聞いたところ、バイソンは無理、という返答が返ってきたので、バイソンはギリ殺せない感じの女性だったようだ。
続く 間違いなく、写真の修正とかそういったレベルのものではなく、完全に別人だったようだ。やられた、そう思ったそうだ。
「初めまして、リンダです」
おまけにその詐欺はかなり雑で荒く、女性は美咲と名乗らずにリンダと名乗った。完全に別人だ。せめて美咲を名乗ってくれよと少し笑ってしまったそうだ。
「どうします? キャンセルします? まあキャンセル料はプレイ料金の全額ですけど。うちらもう動いてるんで」
リンダはそう主張した。おそらくキャンセル料をせしめるビジネスモデルを有した詐欺だ。なんだかキャンセルしたら負けだと思ったのか、それともそれが風俗好きの矜持だと思ったのか、徳重さんはキャンセルしないと高らかに宣言した。
するとリンダは対抗するように高らかに宣言した。
「ウンコ!」
そういってトイレの個室にこもり、プレイ時間である60分間、出てこなかったようだ。結果、徳重さんが待ちに待った社長秘書美咲とのプレイは、リンダのウンコを60分間待つという、高熱が出たときに見る質の悪い悪夢みたいな状態で終わったようだった。
「それは災難でしたね」
徳重さんが騙された。それだけのことだ。いつもは警戒心が高い徳重さんも、デートコースに惑わされて騙された。それは魂が寒いからだ。ただ、それだけのことだった。けれども、そこからが徳重さんの執念深いところである。
「俺みたいに悲しい思いをするやつを減らさないといけないと思うわけよ」
徳重さんは気が付いた。徳重さんを騙した風俗店、それからしばらくして悪い噂が掲示板などで広まって騙される人も減ったところで閉店し、ホームページも消えた。けれども、まったく別の地方で同じ写真を使って新規オープンしているのを見つけたそうだ。
「使われている写真が同じだったわ」
どうやらこの詐欺店、ひととおり騙したら別の地方へと地方巡業をしているらしく、詐欺の全国ツアーを敢行しているらしい。店名こそはコロコロ変わるけど、ホームページの作りと写真、掲載される文言が同じだからすぐわかるらしい。
「あんた、全国の風俗店をチェックしてんですか」
「あたりまえだろ」
軽く言っているけど、それは途方もない作業量であることがわかる。明らかに異常だ。
徳重さんはそういった店を見つけると、すぐにその地方の風俗好きが集まる掲示板に出向き、注意喚起を行っているらしい。この店が詐欺だと断定すると営業妨害になってダメなので、上記のチェックリストを啓蒙して廻っているらしい。
「めちゃくちゃ執念深いですね」
「これはもう俺の呪いよ。呪いを駆使して全国の掲示板と風俗サイトを廻ってあの店と戦っているわけだ。まさに呪術かいせ……」
「ちょっとまってください! それ以上は言わないでください!」
時に執念深さは賞賛される。負けても上手くいかなくても、練習を積み、勝利や金メダルを獲得する。途方もない年月と手間をかけて完成させた作品が評価される。そこではそこに至るまでの執念深さがおおきな構成要素となる。そこには結果があるから執念深さも同時に賞賛される。
けれども、徳重さんの執念深さだって賞賛されてもいいんじゃないだろうか、彼の啓蒙によって、全国の誰かが60分1万6000円を払ってリンダのウンコを60分、待つ、そんな悲劇が生まれることを防いでいるのだ。もっと賞賛されてもいいのかもしれない。
「この雪です。今日はもう電車が停まるかもしれないですね。タクシーでその呪術のように美味い海鮮丼を食べに行きましょうよ、俺が奢りますよ」
「お前とデートコースかよ、やだな」
徳重さんはそう言って笑った。
窓の外に降り積もる雪は、少しだけその勢いを増しているように思えた。 俺ならウンコ中のトイレの外につっかい棒して
したの隙間から煙入れるけどね ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています