0001逢いみての… ★
2022/10/19(水) 23:09:55.11ID:CAP_USER5月に入り、中国政府は新エネルギー自動車を中心とした総合的な消費促進政策を立て続けに打ち出しているが、新興の電気自動車専業メーカーは生き残りをかけて全力で生産能力の拡大を図り、大手自動車メーカーは新エネルギー自動車への生産切り替えを急いでいる。
こうした新しい製品の生産急拡大局面では、製造工程の最も弱い部分に需給逼迫が起こり易いが、新エネルギー自動車の場合には、リチウム電池、とりわけ正極に使われる炭酸リチウムの不足が顕著であり、価格が急騰している。たとえば、上海鋼聯データによれば10月14日現在、中国国内向け電池用炭酸リチウムの市場価格(平均)は53万1500元/トンで、国慶節休場前と比べ2.7%上昇、今年に入ってから8割近い上昇率である。
もう少し詳しく調べてみると、中国はリチウム鉱石の生産量も多いが、その精製工程はほぼ中国に集中しているような状況だ。その中国で、採鉱、精製がともに需要の拡大に追い付かず、世界的にリチウム電池材料の高騰を引き起こしている。問題の根は深く、この先、炭酸リチウム不足は長引きそうである。
こうした状況で、中国の電池メーカーは早くもリチウム電池に代わる次世代製品の開発に注力しており、ナトリウム電池の開発を加速させている。
大手リチウム電池メーカーの寧徳時代(CATL)をはじめ、華陽股フェン、伝技科技などの電池メーカーから、関連の材料メーカーまで、関連各社が次世代電池の開発に向けて一段となって大型投資を始めている。
ナトリウム電池には、安全性が高いこと、コストが安いこと、急速充電の面で優れていることに加え、リチウムイオン電池の製造装置を利用できるので新たな設備投資が抑えられることなど、多くのメリットがある。
一方、エネルギー密度が低いといった欠点があり、更に、本来持つ安全性、低コストといった特徴を引き出すためには、まだ、多くの点で研究開発が必要だ。
ただ、リチウムイオン電池で既に世界のトップクラスの生産能力、技術を持つ寧徳時代は、2023年中にはこれを実用化すると発表している。もし、実現すれば世界初である。業界内では2024年には本格的な量産化が始まるのではないかといった見方さえある。
もともと、ナトリウムイオン電池の開発は、日本の東京理科大学の駒場慎一教授が2009年、世界で初めて安定的に100回以上の充放電が可能な電池を開発するなど、日本が世界の最先端を走っていた。
リチウムイオン電池の研究では、旭化成のエンジニアであった吉野彰氏が米国の物理学者と英国の化学者とともに2019年、ノーベル化学賞を受賞している。
日米欧で発明し、研究開発した電池技術を中国が事業化して成功を収めているのだが、この中で最も大きな利益を得ているのは明らかに中国だ。
中国の強さは、決断、行動の速さ、高い情報収集力につながる社交性の高さ、リスクを積極的にとることのできるアニマルスピリットなどであり、こうした点で、日本人、日本企業は差を付けられているように思う。
20大(共産党第20回全国代表大会)に注目が集まっているが、中国では体制などには全く無関係に、こうした激烈な企業が多数存在する。
そうした企業を引っ張る事業家たちだが、国家の発展を牽引する良質な経営者ばかりとは限らない。時には規則や法律さえ飛び越えても自己利益を極大化しようとする者たちが一定数存在し、中国経済の発展段階が上がることによって、そうした存在のマイナス面が目立ち始めている。
これから三期目に入る習近平政権だが、その統治体制がこれまでよりも社会主義寄り、保守的になりそうだといった指摘が多い。しかし、これはこうした“自由過ぎる”一部の人民を規制するために必要な措置であり、時代の要請であるといった捉え方もできる。指導者の思想や人事ばかりに目が向きがちだが、重要なのは社会の構成要員たちに対する冷静な観察や、評価ではなかろうか。
以下ソース
https://www.moneypost.jp/958505