山口敏太郎の現代妖怪図鑑

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ましゃのお

 オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げている。第139回は「ましゃのお」だ。

 Aさんの家系はまたぎであった。そのため、Aさんの実家は山間部の小さな集落にあり、村人が支え合いながら暮らしていた。

 Aさんの曽祖父はすご腕のまたぎであった。冬の間は、曽祖父が狩ってきた獲物で、村人全体が命をつないでいたほどだ。不思議なことに、どんな時でも必ず獲物を捕まえてきたという。そして、後を継いだAさんの祖父も曽祖父同様にすご腕だった。

 やがて、Aさんは成人の年齢となり、猟銃の練習を繰り返していた。ある時、父親に連れられて、深山の中の広く開けた場所に行った。そこで親指の先を血が出るぐらいだけ削り、それを雪中に投げ込んだ。そして、銃弾を数発、空中に向かって放った。

 父親は言った。

「これで『ましゃのお』へのあいさつが終わった。これから毎回、この広場に来れば数頭の獲物が倒れているはずだ。お前はその獲物の頭に弾丸をぶち込んで持って帰ればそれでいい」

 その後、Aさん一家はまたぎをやめて、都会に移り住み、ましゃのおとの関連も切れてしまった。

 親指の先の血液で契約を結ぶことから、山の神的な存在ではないかと推測できる。かつて名人と呼ばれたまたぎが各集落に存在した。これらの名人は、山の神と契約を結んでいたのだろうか。

 神様と契約を結んだ山の民は、死んだ後も、神様の眷属(けんぞく)として使役されてしまうといわれている。ちなみにAさん一家の墓は、またぎをやっていた祖父や曽祖父のものはないそうだ。ひょっとしたら、山の神の家来として、今も仕えているだろうか。

以下ソース
https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/264899

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