0001逢いみての… ★
2023/06/10(土) 23:45:16.93ID:CAP_USER微小重力下で揚げ物ができるか真面目に実験するメンバーたち
鶏の唐揚げや天ぷら、トンカツ、フライドポテトなどの揚げ物は、多くの人が愛してやまない料理の1つです。
それは宇宙飛行士にとっても同じです。
今回の研究は「なんとかして宇宙で揚げ物を食べられないものか」と奮闘する研究者たちによって行われました。
ギリシャのアリストテレス大学(Aristotle University of Thessaloniki)に所属するソドリス・カラパンシオスは、欧州宇宙機関(ESA)と共に、微小重力でも揚げ物を作ることができるのか実験しました。
研究の詳細は、2022年12月24日付の学術誌『Food Research International』に掲載されました。
揚げ物の魅力は、カラッと揚がった表面とジューシーな中身にあります。
唐揚げや天ぷら、トンカツなどは水で溶いた小麦粉、片栗粉やパン粉などをまとわせて揚げる料理ですが、サクサクとした衣と中から溢れる肉汁が魅力的です。
またフライドポテトなどは、素材そのものを揚げる「素揚げ」に該当しますが、カリっとした外側とホクホクした中身を楽しめます。
では油で揚げると、どうしてこのような「揚げ物」と呼ばれる料理ができあがるのでしょうか?
食材が「揚げ物」になるためのポイントは、「水分を抜く」ことにあります。
熱した油に食材を放り込んで加熱し続けると、食材の表面の水分が抜けていき、そこに油が入り込みます。
つまり食材を揚げている間、食材に含まれた水分と油が入れ替わっていくのです。
この時、食材(もしくは衣)から抜け出た水分は熱により気化しており、「水蒸気」となっています。
揚げ物をしているときに、音を立てて出てくる泡こそが、食材や衣から抜け出た水蒸気なのです。
しばらく揚げ続けると、泡の量が収まってくるのは、それだけ抜け出る水分量が少なくなっている証拠です。
油で揚げると食材の表面や衣の水分がなくなるからこそ、サクッとした触感が得られるのです。
そして表面の水分がなくなり、内部の水分が残っている状態こそが「揚げ物としての完成」であり、外と中の食感や味わいの違いを楽しめます。
逆に言うと、火が通っても長時間食材を揚げ過ぎると、内部の水分まで飛んでパサパサになってしまうので美味しくなくなります。
ここまで考えると、揚げ物を成功させる秘訣は、食材の表面から水蒸気を引き離すことだと分かりますね。
油の中に多量の食材を重ねて入れると上手に揚がらない理由の1つは、水蒸気が邪魔をしているからなのです。
では、宇宙のような微小重力環境でも、揚げ物を上手に揚げることができるのでしょうか?
カラパンシオス氏ら研究チームは、「宇宙では揚げ物を作ることができないかもしれない」と考えました。
なぜなら、地球上では食材から出た水蒸気の泡が浮力によって引き上げられるが、微小重力環境では、水蒸気の泡が食材の表面に付着して、食材全体を蒸気の層で覆ってしまうかもしれないからです。
このように水蒸気が食材から?がれない場合、水分と油の入れ替わりが起こらず、表面から水分を十分に抜くことができなくなると考えられます。
とはいえ、実際に確かめてみなければ、どうなるか分かりません。
そこで研究チームは、微小重力環境を作り出し、実際に揚げ物(フライドポテト)ができるか実験することにしました。
彼らは航空機に放物線飛行を行わせ、その内部で短時間の微小重力環境を生み出しました。
ジェットコースターの頂点では、自分の内臓が浮かんでいるような感覚になりますが、これは無重力に近い状態になっているからです。
同様に航空機でも放物線運動を行うように操縦すると、短時間ですが無重力に近い状態が作り出せるのです。
チームはこの効果を利用して、航空機の中に実験用装置を設置。
装置(容器)の中に加熱した油とジャガイモを入れました。
そして装置内の様子を高解像度のハイスピードカメラで撮影し、ジャガイモから出る水蒸気の泡のサイズや分布、速度や進行方向などを記録しました。
ちなみに実験用装置は安全のために圧力が一定に保たれており、油の漏れや飛び散りを防止しています。
続く
以下ソース
https://nazology.net/archives/127559