全国に約6万軒あるとされる「スナック」。美人ママを目当てに鼻の下を伸ばした中高年男性が通う場所というイメージがあるが、近年は女性客が増えているという。なぜいま女性に人気なのか。

「2019年頃から昭和文化を懐かしむレトロブームがきていて、その影響があると思います」とは、昭和文化研究家の中丸謙一朗さん(「」内以下同)。

 そもそもスナックは1964年の東京五輪以降に増え始めたという。当時は治安を改善するため、深夜0時以降に酒類だけを提供する店の取り締まりが強化された。そこで、取り締まりの網をくぐるため、酒だけではなくスナック(軽食)も提供する「スナックバー」ができ、それがいまのスナックの起源になったという。

「本格的な食事を出さないため、厨房設備や料理の腕が不要。そのため、女性ひとりでも開業しやすいと、高度経済成長期には全国各地にスナックができ、最盛期は約20万軒まで増えました」

 スナックは次第に、町の寄り合い所のような性質も担っていったという。夕方に子供連れでスナックに行き、軽食を食べさせたら子供を先に家に帰す。その後は、大人の時間。酒を酌み交わしながら、店の近所の仲間とたわいない会話を楽しむ。しかしそれが大切な情報交換となっていた。

「待ち合わせして飲みに行くのは大変。でも、店に行けば誰かしら、地元の仲間に会える。スナックは、そういう“地域が緩やかにつながれる基地”になっていき、その地に根付いていったんです」

 そんな、スナックをこよなく愛し、全国550軒以上の店を訪れているのが、スナック探訪家の五十嵐真由子さんだ。五十嵐さんも、“寄り合い所”という役割を持つスナックに助けられたという。

「私が最初にスナックに惹かれたのは、かつて勤めていた会社の営業で地方を訪れたときのこと。最初はどこに出向いても“よそ者”とばかりに門前払いだったんです。

 ところが、タクシーの運転手さんに教えられたスナックで常連客と知り合いになり、その人たちの口利きで、仕事がうまく回るようになったんです。古いスナックには、けっこう地元の有力者が来ているんですが、その店の中では、社会的立場もなく、同じ客としてふるまう。だから、腹を割った会話ができて、信頼関係も生まれやすいんだと思います」(五十嵐さん・以下同)

 いまでも旅先ではまず、地元に根付いたスナックに行き、町の本当の名物や観光スポットを教えてもらうのだという。

 五十嵐さんに話を伺った店は、彼女が常連だという東京・日本橋のスナック『加悦』。五十嵐さんが、「こんばんは! ママ元気?」と扉を開けて入っていくと、ママの公子さん(70代)も笑顔で、「あら、こんばんは」と出迎えてくれた。

 五十嵐さんが席に座ると、勝手知ったるといった様子でママが水割りを用意してくれる。そしてお菓子やサンドイッチ、煮物などを並べてくれた。その風景はまるで、実家を訪れたときのよう。

「至れり尽くせりでしょ? この圧倒的な“実家感”もスナックの魅力。大人だからこそ、誰かから世話を焼かれると、心がほぐれるんです」

 大人になると、特に女性は、料理も飲み物の準備も自分でしなければならないことが多い。しかしここでは、ママがお世話をしてくれるわけだ。

「加悦もそうですが、いいお店は新規客や女性客にやさしい。そういう店には、自然とその店の雰囲気に合った人が集まるので、常連さんもやさしい。ここを見極めるのがいい店選びのポイントになると思います」

 コロナ禍を経て、おしゃべりや人との一体感を求める人は多く、加悦にもここ最近、新規客が増えているという。

「先日も夕方から40代の女性がひとりでお見えになって、“すぐ帰ります”と言いつつ、終電までいたことがありました」(公子さん)

 その女性は、家族や仕事のことを話し、心が軽くなった様子で帰っていったという。

「たわいもない話だけど、家族や友人、仕事仲間にはできない話ができるのもスナックの醍醐味なんですよね」(五十嵐さん)

以下ソース
https://www.moneypost.jp/1041550

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