0001逢いみての… ★
2023/07/17(月) 23:47:05.90ID:CAP_USER昨年の参議院選挙に勝利した際、岸田文雄首相は「黄金の三年間」を得たと多くの人が称した。しかし、その後はジェットコースターのような政権運営となった。
もう1年になるが、安倍晋三元首相の暗殺後、旧統一教会の問題で揺れに揺れた。稚拙な政権運営もあり、大臣その他役職者の辞任ドミノ。
しかし年明けの日銀人事を乗り切り、経済の破綻を避けた。攻め手に欠く野党を尻目に、支持率は回復。統一地方選は何とか乗り切り、サミットでも成果はあげた。
と思ったところに、長男の岸田翔太郎首相秘書官の辞任。政権の軍師と言われる木原誠二官房副長官も、週刊誌にのっぴきならないスキャンダルを狙われている。
今年4月の統一地方選挙で日本維新の会が躍進したのに危機感を覚えたのか、岸田首相は通常国会の後半に解散風を吹かせた。勝てる時に選挙をやっておきたいのは、権力者の常だ。しかし、首相を支える主流派がこぞって難色を示し、衆議院を解散しなかった。
今や政局は夏休みの感があるが、政治の構造は大きく変化する可能性がある。
目の前の現象だけ追えば、事象は簡単だ。自民党第四派閥を率いる岸田首相を支えるのは、第二派閥の茂木敏充幹事長と第三派閥の麻生太郎副総裁。最大派閥の安倍派も無視できない。
何より、自民党最大の支持母体は創価学会・公明党だ。首相を支えるこれらすべてに人々の反対を乗り越えて解散したなら首相の求心力は高まっただろうが、逆に説き伏せられた格好だ。秋に予定される人事で、主流派にどんな好き勝手な要求をされるか、先が思いやられる。
また、選挙区調整をめぐり、公明党との関係が東京では決定的に悪化してしまった。関係修復できない内に解散などできないと考えるのは常識だろう。解散権は封じられた、と言うより岸田首相自らが封じ込む状況に追いやってしまったと考えてよいだろう。
しかしその前に、前の衆議院選挙で自民党が維新に完敗した大阪では、敗退した前衆議院議員の中で特定の人々だけの公認を取り消し、公募すると言う。茂木幹事長の手法を恣意的と批判する声もあるが、どこ吹く風だ。自公関係の前に、自民党の立て直しの方が先決かもしれない。
ところで、「日本維新の会が躍進しているから解散」とは、どういうことだろうか。これは明治以来の日本の政治構造、デモクラシーの在り方から説き起こさねばならない。
自民党は、自由党と日本民主党が合同して成立した。自由党の源流は、板垣退助の自由党で、戦前は二大政党の一角の立憲政友会、昭和20年代は吉田茂の自由党が長期政権を築いた。この流れの人々は、地方の利益を代表し、憲政史のほとんどの期間で衆議院第一党である。
日本民主党の源流は、大隈重信の改進党。戦前は二大政党の一角の立憲民政党、昭和20年代に吉田に抵抗した人々を鳩山一郎が糾合して日本民主党が結成された。この流れの人々は、都市の利益を代表し、憲政史のほとんどの期間で衆議院第二党である。
1955年に、保守合同で自民党が結成された。構造的には地方利益を代表する政党である。もともとは農民人口1割の時代の政党であり、農民が減るとゼネコンで埋め、最近では創価学会に頼ってきた。選挙において固定票が1割あると極めて有利なのは自明だが、自民党は常に日本人の1割の固定票を保持し、貪欲に権力を保持し続けてきた。
自民党の極めて優れているところは、権力を失いそうになった時の改革能力である。日ごろは地方利益の代表でも、いざという時には都市の有権者をつなぎとめる政策を打ち出し、そのイメージを振りまく政治家を総理総裁に据える。そして、都市の浮動票を掴んで政権を維持すると、再び地方利益の代表に戻る。
こうした結果、都市の有権者の声は忘れられた格好となった。なぜ日ごろは袖にされているのに、都市の有権者は自民党政権を延命させ続けてきたのか。理由は二つある。
一つは、経済が成長していたので、我慢できたからだ。戦後日本は、都市で稼いだ利益を地方にバラまくことで、富の公正配分を図ってきた。成長している限り、都市には多大な恩恵があるので、我慢できる。しかし、経済が成長しないなら、単なる搾取だ。ならばなぜ?
続く
以下ソース
https://nikkan-spa.jp/1926347