【環境】ボルドーワイン 気候変動でさらにおいしくなる見込み 70年間のワインの採点データと気象データを分析ーフランス
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0001逢いみての… ★2023/10/16(月) 00:57:39.84ID:CAP_USER
 ワインの専門家たちは、以前から、気候変動はブドウの収穫時期のずれを引き起こし、ワインの品質を低下させ、ブドウの木の成長を阻害する可能性があると警告してきた。けれども今回、乾杯に値する事実が明らかになった。世界有数のワイン産地であるフランスのボルドー地方では、気候変動のおかげでワインがおいしくなっているのだ……今のところは。

 2023年10月11日付けで科学誌「iScience」に発表された論文によると、ワイン評論家による70年間のボルドーワインの採点データと、同じ期間の高解像度気象データから、ワインの品質(豊かで力強い味わいなど)が時間とともに向上していることが明らかになったという。(参考記事:「気候変動がワインの味を変える、700年分の記録」)

 科学者たちは、1950年から2020年までのボルドー全体および19の原産地統制呼称(appelations d'origine controlee、アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ:AOC)の品質の変化を分析した(AOCはフランスの農産物に関する地理的表示で、その土地独自の方法で、特徴のあるワインを生産していることを示す)。研究チームは統計モデルを使って、それぞれのAOCのワインの品質が、生育期の長さ、気温、降水量などの気象要因とどのように関連しているのか検証した。

 最高品質のボルドーワインは、温暖で乾燥した夏、寒冷で湿潤な冬、早くて短い生育期という条件が揃った年のブドウからできる。そしてフランス全体では、今後、気温が上昇すると予想されており、2100年までに4℃の上昇が見込まれている。気温が高くなるとブドウの糖度が上がり、より甘いワインができる。

 ボルドーのワイン生産者は、伝統的に灌漑ではなく降雨による水に依存しているため、気候はワインの生産力と直接結びついている。

 この研究を率いた英オックスフォード大学の気候科学者であるアンドリュー・ウッド氏は、ブドウの木が生育を止めて休眠する冬の時期の降雨量が増えると、次の収穫期のワインの品質がよくなることを発見して驚いている。(参考記事:「温暖化を味方にする動物は?」)

「伝統的に、天候がブドウの品質に及ぼす影響については、生育期の天候だけが考慮されてきました。けれどもブドウの木は一年中そこにあります。私たちは、非生育期の天候が次の収穫に影響を及ぼすことを明らかにしました」とウッド氏は言う。冬に雨が多いと、生育期の土壌の水分バランスが良くなるのかもしれない。

「健康なブドウの木には、より良いブドウがなるのです」とウッド氏。

 研究チームは、ワインの品質の向上は、ワイン醸造技術の進歩や評論家の好みの変化とも関係している可能性があることを認めている。

 しかし、ボルドーのワイナリーでは、ブドウの収穫を手作業で行うなど、伝統的な手法がよく守られている。この点は研究チームがボルドーを研究対象に選んだ理由の1つだ。そのため、技術の進歩がデータに及ぼす影響は限定的だと考えられる。

 また、ワイン評論家がつける点数は主観的だが、彼らの意見には一致している点も多かった。ウッド氏らは、オンラインのビンテージチャートなどの公開されている情報源のほかに、「ワイン・スペクテーター」「セラー・インサイダー」「アシェット・ワイン・ガイド」を含む14種類のワイン雑誌からもスコアを収集した。

「評論家はそれぞれ異なる市場を対象とし、それぞれの好みもあるので、別々のことを言うだろうと予想していましたが、一般的には同じ意見になる傾向がありました」とウッド氏は言う。「人々はより強く、より甘く、よりリッチなワインを好む傾向があります。彼らがテイスティング・ノートに記入した意見のすべてが一致することはなくても、何が良くて何が悪いかについてはだいたい一致しています」

 さらに、研究チームの統計モデルによれば、気候変動によって温暖化が進み、夏の降雨量が減って冬の降雨量が増えれば、ボルドーのワインはどんどんおいしくなる可能性があるという。

続く

以下ソース
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/23/101300525/

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0002逢いみての… ★2023/10/16(月) 00:57:51.86ID:CAP_USER
 しかし、地域の温暖化が進み、極端気象事象が発生すれば、ボルドーのブドウも危険にさらされる。

 ウッド氏は「課題はまだ山積しています」と言う。「フランスは猛暑による山火事に見舞われています。カリフォルニアやオーストラリアでもワインは生産されていますが、こうした地中海性気候の産地も山火事の影響を受けています。煙は、ワインにとって本当によくないのです。ブドウに煙の味がついてしまうのです」(参考記事:「仏で史上最高45℃、欧州が暑くなっている」)

 猛暑は干ばつも引き起こす。気候変動によって降雨量が減り、ブドウの木に十分な水が供給されなくなると、ワインの生産は崩壊する。

「夏の降雨量は少ない方が良いと言っても、全然降らなかったら困ります。土壌に水分がなければ木は枯れてしまいます」とウッド氏は言う。「気候変動の結果、ある閾値(いきち)まではブドウの品質が向上しますが、それを超えれば低下します。閾値がどこにあるのか、品質の低下がどこから始まるのかはわかりません。それが怖いところなのです」

 気候変動により、すでにフランスのワイン用ブドウの収穫時期は早くなっており、ワインのアルコール度数や風味にも影響を及ぼしている。近年の暑い夏は、ブドウの木が枯れたり実が焼けたりする原因にもなっている。伝統的なワイン産地も北に移動すると予想されている。

 スウェーデン、ルンド大学の持続可能性科学の准教授であるキンバリー・ニコラス氏は、ワインをめぐるこうした変化を「味わえる気候変動」と呼ぶ。

 ニコラス氏は「ワインは気候に敏感です。ほかの多くの作物とは異なり、ワインの生産で最も重視されるのは量ではなく質だからです」と言う。なお、氏は今回の研究には参加していない。

 ニコラス氏によるとワイン業界は、ワインの醸造方法の変更(pHを調整するために酸を加えるなど)、農法の変更(灌漑や日陰を増やすなど)、直射日光の当たらない畝(うね)にブドウの木を植える、新しい場所にブドウ畑を植え替えるという、主に4つの方法で気候変動に適応してきた。

「けれども適応には限界があります」とニコラス氏は言う。「ワイン業界は、工夫の余地はたくさんあることを知っていますが、その可能性は無限ではありません」
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