閉業したのか。都内で今月中旬に開催されたイベントで販売されたマフィンが糸を引くなどし、食べた人が体調不良を訴えていた件で、マフィンの回収作業を行っていた販売店がSNSを21日までに削除した。「悪手すぎる」「逃亡はさすがにひどい」とネットを中心に大荒れとなっている。

 この日、東京・目黒区にある販売店を訪れると、扉の下側に2枚の不在票が挟まっていた。呼び鈴を押すも反応なし。営業している気配はない。厚労省のリコール情報サイトに記載された電話番号に連絡したがコールが鳴り続けるだけだった。

 よく見てみると扉の両サイドにも複数の不在票が挟み込まれていた。マフィンの回収はゆうパック発払いで行われており、もしかしたら糸引きマフィンが届けられたのかもしれない。

 販売店の「X」(旧ツイッター)とインスタグラムが削除されたことでネットは批判と疑問であふれた。特に問題なのがSNSは購入者との連絡手段でもあったことだ。これでは今後、マフィンの回収や返金対応がしっかり行われるのかどうかも分からない。さらに、グーグルで販売店を検索すると赤い文字で「閉業」と表示されることも、不安をかき立てる材料となっていた。

 目黒区の担当部署も困惑している。担当者は「アカウントのことは把握しています。営業者とは連絡が取れました。至急新しい連絡先を厚労省のサイトに掲載するよう要請しました。マフィンを購入した方から『どうしたらいいのか』とこちらに連絡がありますが、連絡先が掲載されるまでお待ちいただいております」と話した。販売店とは電話で連絡が取れたというが、レスポンスは必ずしも早くないという。

 リコール情報サイトで糸引きマフィンは「CLASST」というカテゴリーになっている。これはフグや毒キノコと同じだ。回収対象は約3000個となっている。

 目黒区担当者によると、この糸引きマフィンを食べても「死ぬまではない」とのことだが、身近に置いておきたくはないもので、購入者としては早く送るか捨てるかしたいはず。しかし、連絡手段を消されてはそれもままならない。目黒区担当者は販売店がSNSを削除した理由については「聞いていない」とした。

 21日夜になって厚労省のリコール情報サイトが更新。新たな連絡先としてメールアドレスが記載された。また、マフィン回収の受け付けは終了し、購入者で廃棄した上で連絡してほしい旨が書かれていた。これまでの回収状況は20日時点で廃棄を含め851個だった。

 販売店は新しく立ち上げたサイトで謝罪。閉業については「営業再開の予定はございません」と説明。虚偽のサイトを公開される被害にも遭っていると明かした。販売店にはこうしたイタズラだけでなく誹謗中傷があることは想像に難くない。よりスピード感を持って対応した方が炎上も収まりやすいだろう。

以下ソース
https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/283547