0001逢いみての… ★
2023/12/05(火) 23:17:10.87ID:CAP_USERGiveDirectlyはケニア南西部にある小さな村のすべての大人に対して、2016年から2028年までの12年間、毎月2280シリング(約2200円)を支給するベーシックインカムを行っています。受給者は約6000人で、このほかにも「一括で約7万円を受け取る」や「2年間で合計約7万円を受け取る」という異なる給付方法でベーシックインカムを受け取っている人が数万人います。
スリ氏とバナジー氏は、ベーシックインカムの受給者を、12年にわたって受け取る長期受給グループ、2年で受け取る短期受給グループ、1回で全額受け取る一括受給グループに分類して、それぞれの受給者のその後を調べました。
すると、一括受給グループの人がもっとも多く事業を立ち上げ、多くの額を教育に費やすことで、大きな効果を上げたことがわかりました。短期受給グループで見られた効果は、その半分だったとのこと。
長期受給グループは、一括受給グループに近い結果を出していました。スリ氏とバナジー氏が調べると、長期受給グループのメンバーは、共通基金に定期的に少額を払い、必要なときに大金を引き出せる、循環型貯蓄信用組合(ROSCA)を作って利用していたことが明らかになりました。
友人10人とともにROSCAを作ったというエドワイン・オドンゴ・アニャンゴさんもその1人で、投資に向けてお金を積み立てていたとのこと。アニャンゴさんは「毎月給付も悪くないですが、一括給付の方がいいと思います。その方が、大きなプロジェクトを一気に実行することができます」と意見を述べています。
アニャンゴさんの言うとおり、事業を行うにあたっては大金が必要となるため、一括給付の方が利便性が高いのですが、一方でベーシックインカムを毎月受け取っていた人は、一括で受け取っていた人に比べて概して幸福度が高く、精神的な健康状態がよかったこともわかりました。特に、長期受給グループの場合は「給付が12年続く」という精神衛生上のメリットが大きかったとのこと。スリ氏は「一括で給付を受けたグループは『何かに投資しなければ』ということがストレスになったかもしれない」と推測しています。
なお、ベーシックインカムの議論では「お金を給付すると仕事の意欲が削がれるのではないか」「アルコールなどの購入に充てられるだけなのではないか」といった懐疑的な意見が出ますが、少なくともケニアの場合には、そういった事例はみられなかったとのこと。多くの場合、賃金を得るために働いていた人たちが、労働する代わりに起業したことで、賃金労働を巡る競争が減って、村全体として得られる賃金が上昇したとのことです。
ここまでの成果を踏まえて、ニュースサイトのVoxは、もしベーシックインカムを導入するのであれば、理想的には「どのようにお金を稼ぎたいか」を聞いて行うべきで、短期で大金を受け取るのか、長期で少額を受け取るのか、選択肢を与えるべきだと提案しています。
以下ソース
https://gigazine.net/news/20231205-worlds-biggest-basic-income-experiment/