【地方】現職市議「スーパークレイジー君」逮捕の宮崎県警 「出色の捜査力」の秘密 過去には県知事逮捕の“金字塔”も
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0001逢いみての… ★2023/12/12(火) 21:51:29.44ID:CAP_USER
 東京都知事選(2020年)やその後の地方議会選、首長選にたびたび出馬し、話題となった「スーパークレイジー君」。昨年から故郷の宮崎で選挙への挑戦を続け、今年4月には宮崎市議に初当選したが、9月、知人女性への不同意性交致傷容疑で同県警に逮捕され、その後起訴された。同市議の長期勾留を受けた市議会は11月27日、市議が逮捕・勾留された後は議員報酬の支給を停止する新規定を盛り込んだ条例改正案を全会一致で可決している。

 警察取材の長いジャーナリストの宇佐美蓮氏は、「スーパークレイジー君」こと西本誠被告逮捕に至る「県警の迅速な動き」に注目すべきという。宮崎県警が誇る「出色の捜査力」の秘密について、宇佐美氏が警察OBらの証言を交えて解説する。

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 昨年の宮崎県知事選で落選するも今春の宮崎市議選で2位当選を果たした、「スーパークレイジー君」の名で知られる宮崎市議・西本誠被告(以下、スーパークレイジー君)。今年9月、女性への不同意性交致傷容疑で県警に逮捕されたため市議会から突きつけられた辞職勧告を拒否し、同月27日に起訴されたが、現職のまま越年しようとしている。

 ただ、県警の動きは早かった。法曹関係者は「否認のため犯行の内容には言及しませんが、議員センセイに及び腰な警察にしては迅速でした」と話す。事件発生翌日に女性の被害届を受理した県警はその翌々日にスーパークレイジー君を逮捕。小規模ながら都道府県警の中でも評価の高い宮崎県警にはなにがあるのか。

 警察官の定員は35番目。宮崎より少ないのは12県警のみで、選挙人買収を巡る志布志事件の鹿児島県警、連続殺人を巡る北方事件の佐賀県警と、周囲の小規模警察が無罪確定で歴史的汚点を残す中、「宮崎は捜査2課を中心に比較的成績がいいんです」と警察OBは語る。

 たとえば自衛隊・防衛省絡みの事件の捜査・摘発だ。同組織は隠蔽体質で仲間意識が強いため汚職が表沙汰になりにくく、1978年以降に摘発された収賄事件は東京地検特捜部や警視庁、愛知県警、北海道警と実績・規模共に充実した捜査機関が手掛けてきた。だが宮崎県警捜査2課は1999年に新田原基地の空曹を収賄容疑で逮捕しており「誇っていい実績です」(同OB)と言われている。

 同県警の実績で賞賛に値するのが2006年の同県知事(直前に退職し正確には前知事)逮捕だ。当時大きなニュースになったので詳細は割愛するが、2006年11月に“官製談合”が発覚し安藤忠恕知事の関与疑惑が浮上。当初は関係を否認し辞職を固辞したが12月に辞任して競売入札妨害(談合)容疑で逮捕、翌1月には事前収賄容疑で再逮捕された。捜査関係者は「知事時代の犯罪で刑事訴追された知事経験者は戦後10人程。それもほとんど検察です。警察にとって宮崎の事件は金字塔なのです」と語る。

 知事の収賄事件ではゼネコン汚職の竹内藤男茨城県知事(1993年逮捕)と本間俊太郎宮城県知事(同)、業際研事件の圓藤寿穂徳島県知事(2002年逮捕)、水谷建設事件の佐藤栄佐久福島県知事(2006年逮捕、同前知事)と、東京地検特捜部が逮捕したケースが大半。他に大阪地検特捜部の木村良樹和歌山県知事(2006年逮捕)、古くは1976年に福島地検が逮捕した木村守江福島県知事等だ。

 収賄以外では東京佐川急便によるヤミ献金の政治資金規正法違反罪で1992年に東京の特捜に在宅起訴された金子清新潟県知事(同前知事)、徳洲会による資金提供の公選法違反罪で2014年に東京の特捜に略式起訴された猪瀬直樹東京都知事(同前知事)らがいる程度。

 一方の警察は敗戦間もない1949年に西村実造埼玉県知事を警視庁が収賄容疑で逮捕した例や、1976年に平野三郎岐阜県知事を同県警が収賄容疑で書類送検した例ぐらいだ。「ですから宮崎県警による逮捕は警察の大金星なのです」(前出の警察OB)。

 スーパークレイジー君の逮捕が「迅速」と言われるのは、議員バッヂに弱い警察が現行犯でも緊急逮捕でもなく、発生3日目で通常逮捕したため。

「トラブルメーカーだったとはいえ、扱いには慎重になりがちな現職政治家。十分に捜査した上で令状を取って逮捕した点が素早い対応だと評価されているわけです」(前出の捜査関係者)。

 まして知事の逮捕は警察では異例中の異例といえる。

続く

以下ソース
https://www.news-postseven.com/archives/20231211_1926491.html
0002逢いみての… ★2023/12/12(火) 21:51:40.55ID:CAP_USER
 知事には予算案と条例案の議会提出権が地方自治法で独占的に与えられ、警察本部長は議会では単なる部局長の扱いだ。だから都道府県警職員の「給与支払者」は知事。給料を“人質”にとられた警察が知事の逮捕に二の足を踏むのは致し方ない側面がある。

 だが宮崎県警による逮捕は実現した。「その背景にはいくつかの要因があります」と言うのは前出の警察OB。同県警は九州管区警察局管内だけでなく、全国でも「小規模警察の中では意欲・能力共にあるほうだと言われています」(同OB)。それが迅速さにつながり、ある警察庁関係者は「捜査2課は同県警内でも評判がいいそうです」と話す。

“官制談合”を巡っては、この11月に宮崎県串間市の副市長を官製談合防止法違反容疑で逮捕。新田原基地を巡っては2006年に収賄容疑で宮崎県新富町長を逮捕した。基地そのものでなく基地周辺工事が舞台だが「基地の周囲は利権の巣窟。普段から情報のアンテナを張っているということでしょう。捜査2課は結構、粒ぞろいなのです」(同OB)。

 県警の関係者は「デカ(刑事)になるために受ける最初の『任用科』研修とは別に、刑事を成長させるための特別な研修制度を採用して42年ですが、偽造文書の鑑定システム等新しい科学技術を使った知能犯捜査と共に、アナログな捜査手法も教えてます。弱小組織の意地じゃないですが、イマドキ流行らない『刑事魂』を現在でも伝授してるんです」と笑う。

 知事逮捕実現の背景には別の要因もある。県警本部長だった警察キャリアの吉田尚正元警視総監の存在だ。吉田氏は北海道警刑事部捜査2課長、警察庁刑事局暴力団対策課長(現組織犯罪対策1課長)を経て、2006年 4月から2007年7月まで本部長を務めた。その後も警察庁刑事局捜査1課長、警視庁刑事部長を歴任。福岡県警本部長として全国唯一の特定危険指定暴力団工藤會の壊滅作戦を指揮し、警察庁刑事局長から総監へと上り詰めた。

「警察内部では『刑事警察のエース』と評された逸材でした。彼の手腕なくして知事の逮捕にこぎ着けるのは至難の業だったはずです」(前出の警察OB)。

 また九州全体の事件を俯瞰し、要所で捜査の方向性を指導する総責任者の福岡高検検事長だった佐渡賢一元東京地検特捜部副部長の存在も大きかったというのが定説だ。佐渡氏はリクルート事件や前出のヤミ献金を含む東京佐川急便事件の捜査に携わり、緻密で寡黙な捜査官として知られたやり手の特捜検事だった。

 捜査幹部は「言葉は悪いが田舎の人手が少ない組織だが精鋭の多い県警とエース級警察官僚、敏腕検察官が融合して初めて金字塔は打ち立てられたのだ」と指摘する。

 安藤知事の辞職を受けて行われた知事選で初当選したのが東国原英夫氏だ。「そのまんま東」の芸名で人気を博した元タレントで現在は政治評論家。「どげんかせんといかん」のフレーズで宮崎の有権者に支持を広げたが、その後、衆院議員に転身。スーパークレイジー君がわずか7000票で落選した知事選で復帰を目指したが、知事を続けなかった過去を裏切りと感じた支援者もおり、23万6000票獲得の次点ながら東国原氏も現職に敗れている。

 人口と比例して警察官の数がほぼ決まる都道府県警制度の欠点である「規模の不均等」は、ローカル地区の警察本部には乗り越えることが時としてどうしても難しい壁だ。それは宮崎県警も例外ではない。単純な人手不足だったり経験不足だったり……。その典型例がオウム真理教による未曾有の事件である。裏で国家転覆まで計画していた“サイコパス”をトップに水面下で増殖していたカルト宗教団体が、暴走を始めるも全く対応できなかった。

 オウムに猛毒のサリン密造疑惑が浮上した際、松本サリン事件の長野県警、坂本弁護士一家殺害事件の神奈川県警、元看護師監禁事件の山梨県警、資産家拉致事件の宮崎県警の4県警は警察庁の指示で東京に集まり、極秘会議を繰り返したが捜査の突破口を見いだせなかった。捜査は結局、オウムが自ら東京都内で新たな事件を起こしたことで教団との闘いに主体的に加わることとなった警視庁によって突破口が開けたのだ。警視庁と大阪府警に次ぐ3番目の規模を誇る神奈川県警でも経験不足・力不足は否めず、宮崎県警は言うまでもなかった。

 地域格差は都道府県警制度の課題。だからこそ知事逮捕は金字塔なのだ。
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