0001逢いみての… ★
2023/12/28(木) 00:33:35.64ID:CAP_USERマックス・プランク物理学研究所の物理学者ジア・ドヴァリ氏とトビリシ自由大学ザラ・オスマノフ氏らの『International Journal of Astrobiology』(2023年10月16日付)に掲載された論文によれば、もしも高度な文明を持つ地球外知的生命体がいるならば、彼らは小さなブラックホールを量子コンピュータのハードウェアとして使っている可能性があるといのだ。
驚いたことに、「ホーキング放射」によってそこから放たれるシグナルは、南極にある「アイスキューブ・ニュートリノ観測所」のような施設ならば検出できるかもしれないという。
「事象の地平面(線)」と呼ばれるブラックホールの境界付近では、物理現象もかなり奇妙なものになる。
事象の地平面を超えてブラックホールに落ちてしまえば、あまりにも強力な重力ゆえにもはや光すら脱出できない。
だが境界ギリギリのところでは、「ホーキング放射」と呼ばれるかすかな光が放たれる。
車椅子の天才物理学者、故スティーブン・ホーキング博士が正しいならば、ブラックホールはこのホーキング放射によって少しずつ蒸発していくのだという。
このことが超強力な量子コンピュータにとって重要なのは、このホーキング放射にブラックホールに落ちた物質や光に関する情報が含まれている可能性があるからだ。
本当のところどうなのかは、まだ議論が交わされているところだ。
否定的な立場によるなら、ホーキング放射は辞書を燃やすようなものだ。ブラックホールに落下した物質・光の情報は、厳密にはホーキング放射に含まれているかもしれない。
だが辞書の燃えかすに残されたインクの成分から文字を再現できないように、情報は復元不能なほど壊れているので、存在しないのと変わらない。
一方、肯定的な立場からは、ホーキング放射は復元不可能なデータではなく、落下した元の物質・光の性質と関係していると主張される。
つまりブラックホールはそこに落下してきたものがあれば、それについて複雑な処理を行い、その結果をホーキング放射として吐き出していると考えられるのだ。
現在の地球の科学技術レベルでは、そのデータを利用する方法はわからない。だが、もっと高度に発達した地球外文明なら、その方法を解明していることだろう。
ゆえにドヴァリ氏とオスマノフ氏は、「十分に発達した文明はすべて、最終的にブラックホールを量子コンピュータとして採用する」と予測する。
そもそも量子コンピュータとはどのようなものか?
一般的なコンピュータは、情報を1と0で扱う。つまり、あらゆるデータは「ビット」という情報の基本単位で処理される。
一方、量子コンピュータが扱う情報の基本単位を「量子ビット」という。
それは1と0のほか、同時に1と0である状態をとることができる。これは「重ね合わせ」という、不可思議な量子現象ゆえに可能になる。
量子コンピュータはこの量子ビットで情報処理をするために、普通のコンピュータよりも多くのデータを保存し、より多くの計算をこなすことができる。
地球上の量子コンピュータはまだ完全なものではなく、その理論上のポテンシャルをフルに発揮する方法はまだまだ研究が進められている最中だ。
だが高度な地球外文明ならば、すでにその方法を見出しているかもしれない。
そしてドヴァリ氏とオスマノフ氏によれば、ブラックホールで作られた量子コンピュータは、通常の物質で組み立てられたものよりさらに高速なのだという。
なぜなら、ブラックホール内の物質は一点(特異点)に凝縮されているからだ。
ブラックホールの内部はとてつもない高密度だ。だから光や量子ビットの情報は、ほとんど瞬時にブラックホールの片側からもう片側へと伝えられる。
これがブラックホールをハードウェアとして利用することで、量子コンピュータの超高速化・超効率化を実現できる理由だ。
続く
以下ソース
https://karapaia.com/archives/52328285.html