【身体】がん・肥大・排尿… 「前立腺の問題」について知っておきたいこと
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0001逢いみての… ★2024/02/06(火) 22:22:51.60ID:CAP_USER
 前立腺の悩みを誰にも相談せずに一人で抱え込んでいる男性は多い。しかし、無視したからといって問題が解決するわけではない。英国のチャールズ国王は1月26日に入院し、前立腺肥大症の手術を受けた。

 前立腺の肥大は、51〜60歳の全男性のうち半分に見られるという。そしてその割合は、60〜69歳になると70%に、85歳以上になると90%に跳ね上がる。また、米国がん協会によると、米国では一生涯で約8人に1人の男性が前立腺がんと診断される(編注:国立がん研究センターのデータに基づく計算によれば、日本では約11人に1人)。

 加齢に伴って出てくる前立腺の問題に、遺伝や環境、食生活などがどう関わっているのかについて正確なことはわかっていないと、米ジョンズ・ホプキンス大学医学部前立腺がんプログラムの責任者であるアービン・ジョージ氏は言う。つまり、今のところ簡単に実践できる予防法はないということだ。「前立腺肥大症も前立腺がんも、『1日1個のリンゴで医者いらず』といった対応策はないのです」

 しかし、排尿の問題で悩んでいる男性には、幸いにもたくさんの治療の選択肢がある。また、前立腺がんと診断される人はいまだに気が滅入るほど多いものの、治療を遅らせても安全なケースや、まったく治療しなくても問題ないケースが少なからずあることも、最近の研究で示唆されている。

 前立腺はクルミ大の大きさをした腺で、精液の一部を作る役割を担っている。精液や尿の通り道である尿道を取り囲んでいるため、肥大すると尿道が圧迫される。(参考記事:「便利で確かな男性の避妊法候補3選、社会に変革もたらす可能性も」)

 男性が歳をとって前立腺の大きさが2〜3倍になった状態を、前立腺肥大という(クルミ大がレモン大になったと想像してみよう)。そうなると排尿しにくくなったり、膀胱を完全に空にすることが難しくなったりする。ほかにも、頻尿、夜間排尿、尿失禁などの症状がある。このように排尿の症状があると前立腺肥大症と呼ばれる。

 前立腺肥大症を発症する最大の要因は、単純に加齢だ。これは、性ホルモンのバランスが変化するためと考えられている。また、前立腺肥大症にかかった家族がいる人にも多く見られ、さらに肥満だったり、心血管疾患や糖尿病などのリスク要因がある場合も発症率が高くなることを示す研究がある。ちなみに、性行為が前立腺の肥大を引き起こすことを示す証拠は全くないと、ジョージ氏は言う。

 前立腺肥大があっても、約半数の男性には症状がない。英国の非営利団体「プロステート・キャンサー・UK」の健康情報・臨床支援責任者を務めるニック・リッジマン氏は、「症状がないのであれば心配する必要はありません」と説明する。

 まれに、尿路感染症を繰り返したり、腎臓の問題を起こしたりすることもあるが、典型的な症状は生活の質に関わる問題だ。頻尿など普段の生活に影響が出るようであれば、それを緩和することに治療の焦点が置かれる。特に夕方以降に水分を取る量を減らしたり、カフェインやアルコールといった利尿作用のある飲み物を減らすだけでも効果はある。

 それ以上の治療が必要な場合、前立腺の周囲の筋肉を緩める薬や前立腺を縮小させる薬、前立腺を小さくする手術などの選択肢もある。

 治療を行うかどうかは、患者がどれくらい症状に悩まされているかによって判断するのが望ましいと、ジョージ氏は言う。「夜中に数回トイレに起きてもすぐにまた寝付けるので問題ないという人もいますが、逆に簡単にトイレに行ける状況にない人もいます。その場合には生活の質に大きく関わってきます」

 前立腺がんになるリスクも、長生きすればするほど上昇する。臨床医学情報サイト「UpToDate」によれば、70歳以上の男性のおよそ70%は、がんの診断を受けていなくてもある程度のがん細胞が前立腺の中に潜んでいるという。

 米国立がん研究所によると、米国と英国では、男性のがんによる死亡原因のうち、肺・気管支のがんに次いで前立腺がんが多い(編注:厚生労働省の2022年人口動態統計によれば、日本の男性の部位別がん死亡者は肺が最も多く、大腸、胃、すい臓、肝臓、前立腺と続く)。米国がん協会によると、前立腺がんと診断される平均年齢は67歳で、40歳未満の男性はほとんど診断されない。

続く

以下ソース
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/24/012500051/
0002逢いみての… ★2024/02/06(火) 22:23:05.02ID:CAP_USER
 前立腺がんに関する遺伝子変異についてはまだ詳しいことはわかっていないが、家族に前立腺がん患者がいるとリスクが上がることはわかっている。父親や兄弟など自分に近い血縁者で2人以上前立腺がん患者がいると、自分も診断される確率が5〜10倍に跳ね上がる。はっきりした理由は解明されていないが、アフリカ系の男性のリスクが特に高いこともわかっている。黒人男性が前立腺がんにかかる確率はほかの人種に比べて70%も高く、死亡率も高い。

 前立腺がんは、周囲の組織に転移したり、運が悪ければ全身に転移することもある。しかし、多くの場合、がん細胞は前立腺内に留まり、その後の経過や生存率も良い。米国がん協会のデータによると、前立腺がんと診断を受けた患者の15年後の生存率は、それ以外の男性の95%だという。

 ジョージ氏によると、数十年前から検診が普及している米国などでは、症状が出るよりもずっと前にがんが発見されることが多い。「症状がある場合、前立腺がんよりは前立腺肥大症であることの方が多いです」

 米国泌尿器科学会は、55〜69歳の男性に2年ごとに検診を受けるよう推奨している(編注:日本泌尿器科学会は住民検診では50歳以上、人間ドックでは40歳以上の男性に前立腺がん検診を受けるよう勧めている一方、厚労省は住民健診の項目として推奨していない)。

 しかし、自分のリスク要因について医師と相談して、検診の頻度を調整することが大切だ。黒人や、家族に前立腺がんにかかった人がいる場合、もっと早い時期からより頻繁に検診を受ける必要があるかもしれない。

 検診は、転移のリスクが高い前立腺がんを見つけることができる。これを早期発見できれば、早目に治療を開始し、命を救うことにもつながる。(参考記事:「早期大腸がんの5年生存率は94%、高周波ナイフによる切除で」)

 しかし一部の専門家は、検診を受けることの問題点についても指摘する。前立腺が作り出すたんぱく質を血液検査で見つける「前立腺特異抗原(PSA)検査」は、偽陽性や偽陰性になることもあり、もしそうなれば、受診者に不必要なストレスや治療を強いてしまうことにもなりかねない。米疾病対策センター(CDC)によると、検診を受ける55〜69歳の男性のうち、結果的に検診で命が救われるのは約1000人に1人だという。

 多くの前立腺がんは、進行が遅く、何の害も引き起こさない。そればかりか、がんが見つかっても注意して様子を見るだけで治療しない方がいい場合もあるという。2023年4月に医学誌「New England Journal of Medicine」に発表された論文では、治療せずに前立腺がんを監視し続けた場合と、放射線治療や手術など積極的な治療を行った場合を比較したところ、どちらも15年後の生存率が同じように高かったことが示された。

 この論文では、治療による副作用についても強調しており、治療を受けた患者は性生活や排尿のしつこい問題に長ければ12年間も悩まされうることも指摘している。「副作用がこれほど長引いてしまうのは、負担が大きすぎます」と、リッジマン氏は言う。「その一方で、低リスクの局所的な前立腺がんなら積極的な治療をしなくても何年も、場合によっては何十年も付き合っていけることを、研究結果は示しています」

 排尿に問題があるからといって、多くの場合はがんがあるわけではないが、対処法があるのなら一人で悩み続ける必要もない。

「もし症状があって困っているなら、医師に相談すべきです。こういうものなのだから仕方がない、我慢するしかないといってあきらめないでください」と、ジョージ氏は言い添えた。
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