0001逢いみての… ★
2024/02/06(火) 22:22:51.60ID:CAP_USER前立腺の肥大は、51〜60歳の全男性のうち半分に見られるという。そしてその割合は、60〜69歳になると70%に、85歳以上になると90%に跳ね上がる。また、米国がん協会によると、米国では一生涯で約8人に1人の男性が前立腺がんと診断される(編注:国立がん研究センターのデータに基づく計算によれば、日本では約11人に1人)。
加齢に伴って出てくる前立腺の問題に、遺伝や環境、食生活などがどう関わっているのかについて正確なことはわかっていないと、米ジョンズ・ホプキンス大学医学部前立腺がんプログラムの責任者であるアービン・ジョージ氏は言う。つまり、今のところ簡単に実践できる予防法はないということだ。「前立腺肥大症も前立腺がんも、『1日1個のリンゴで医者いらず』といった対応策はないのです」
しかし、排尿の問題で悩んでいる男性には、幸いにもたくさんの治療の選択肢がある。また、前立腺がんと診断される人はいまだに気が滅入るほど多いものの、治療を遅らせても安全なケースや、まったく治療しなくても問題ないケースが少なからずあることも、最近の研究で示唆されている。
前立腺はクルミ大の大きさをした腺で、精液の一部を作る役割を担っている。精液や尿の通り道である尿道を取り囲んでいるため、肥大すると尿道が圧迫される。(参考記事:「便利で確かな男性の避妊法候補3選、社会に変革もたらす可能性も」)
男性が歳をとって前立腺の大きさが2〜3倍になった状態を、前立腺肥大という(クルミ大がレモン大になったと想像してみよう)。そうなると排尿しにくくなったり、膀胱を完全に空にすることが難しくなったりする。ほかにも、頻尿、夜間排尿、尿失禁などの症状がある。このように排尿の症状があると前立腺肥大症と呼ばれる。
前立腺肥大症を発症する最大の要因は、単純に加齢だ。これは、性ホルモンのバランスが変化するためと考えられている。また、前立腺肥大症にかかった家族がいる人にも多く見られ、さらに肥満だったり、心血管疾患や糖尿病などのリスク要因がある場合も発症率が高くなることを示す研究がある。ちなみに、性行為が前立腺の肥大を引き起こすことを示す証拠は全くないと、ジョージ氏は言う。
前立腺肥大があっても、約半数の男性には症状がない。英国の非営利団体「プロステート・キャンサー・UK」の健康情報・臨床支援責任者を務めるニック・リッジマン氏は、「症状がないのであれば心配する必要はありません」と説明する。
まれに、尿路感染症を繰り返したり、腎臓の問題を起こしたりすることもあるが、典型的な症状は生活の質に関わる問題だ。頻尿など普段の生活に影響が出るようであれば、それを緩和することに治療の焦点が置かれる。特に夕方以降に水分を取る量を減らしたり、カフェインやアルコールといった利尿作用のある飲み物を減らすだけでも効果はある。
それ以上の治療が必要な場合、前立腺の周囲の筋肉を緩める薬や前立腺を縮小させる薬、前立腺を小さくする手術などの選択肢もある。
治療を行うかどうかは、患者がどれくらい症状に悩まされているかによって判断するのが望ましいと、ジョージ氏は言う。「夜中に数回トイレに起きてもすぐにまた寝付けるので問題ないという人もいますが、逆に簡単にトイレに行ける状況にない人もいます。その場合には生活の質に大きく関わってきます」
前立腺がんになるリスクも、長生きすればするほど上昇する。臨床医学情報サイト「UpToDate」によれば、70歳以上の男性のおよそ70%は、がんの診断を受けていなくてもある程度のがん細胞が前立腺の中に潜んでいるという。
米国立がん研究所によると、米国と英国では、男性のがんによる死亡原因のうち、肺・気管支のがんに次いで前立腺がんが多い(編注:厚生労働省の2022年人口動態統計によれば、日本の男性の部位別がん死亡者は肺が最も多く、大腸、胃、すい臓、肝臓、前立腺と続く)。米国がん協会によると、前立腺がんと診断される平均年齢は67歳で、40歳未満の男性はほとんど診断されない。
続く
以下ソース
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/24/012500051/