残念ながら、配偶者や親密な関係にある人からの暴力、DV(ドメスティック・バイオレンス)、言葉や支配的な態度によるモラル・ハラスメントに悩む男女は少なくありません。「私のところにも、過去にDVやモラハラに悩まされた女性から『こんな私でも婚活できますか?』という相談が寄せられることがあります」というのは、結婚相談所マリーミー代表の植草美幸氏です。今回は、悪い男を引き寄せる女性の共通項を著書『ワガママな女におなりなさい「婚活の壁」に効く秘密のアドバイス』(講談社)から、紹介します。

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 DVやモラハラは、もちろん200%相手が悪いのです。ただ見ていると、女性の側にもそうしたダメ男につけ込まれる要因が隠れているな、と思うこともあります。次の8つの特徴から3つ以上当てはまれば、DV男やモラハラ男を引き寄せ、つけ込まれる素質があるので、見直しが必要です。

1付き合ったら、職場や家にいつも送り迎えしてほしい。

2彼からマメに連絡が欲しい。

3自分よりも彼の都合を優先したい。

4自分はモテないと思っている。

5手をつなぐより、肩を抱き寄せられる方が好き。

6「お前」「オイ」などと呼ばれたり、呼び捨てされたりするとキュンとする。

7乱暴なオレ様口調は嫌いではない。

8やっぱり壁ドンされたい。

 27歳の公務員のA子さんも、過去にモラハラ男に悩まされた経験の持ち主でした。優しいところに惹かれて付き合っていたのは初めのうちだけ。気づくと束縛がひどくなり、とくに困惑したのが、毎日のように職場まで車で迎えに来られたことでした。モラハラ男には、最初だけ仮面を被り、優しく振る舞うタイプが少なくありません。

 車での送迎も最初は愛情表現だと思っていたのですが、毎日では、残業を頼まれても応えられませんし、友達付き合いもできなくなります。次第に暴言などのモラハラが目立ち始め、慌てて別れ話をしたものの、その後もしつこく連絡が来て困っていました。

 DVやモラハラは絶対悪ですが、彼女は自分にもそんな絶対悪につけ込まれる要因があるのではないかと疑心暗鬼になっていました。今後誰と交際しても同じことが起こるのではと、自信をなくしていたので、前述のチェックリストで評価してみると、そのうち4項目(1、2、3、7)が当てはまっていました。

 カウンセリングで背景を探ってみると、彼女の父親がものすごい亭主関白で、母親は父親の言うことを何でも聞かざるを得ない状況。それでも父親はかなりのイケメンで、母親はそんな夫に一途。文句一つ言わないという関係性でした。彼女自身も父親が大好きなファザコンであり、そうした家庭環境も彼女の男性観に深く影響しているように思えました。

 彼女にはDVともモラハラとも縁遠い、今どきの草食系男子とのお見合いをセッティングしました。仮交際に進んだ頃、A子さんに「デートでどんな会話をしましたか?」「デート後、彼から連絡が来ますか?」と聞いてみました。すると彼女からは、「デートでは彼は自分の話よりも、私の話をたくさん聞いてくれました」「次のデートのお誘いはいただきましたが、それ以外は毎日のように連絡が来るわけではありません」という答え。男性はもっとグイグイくるものだと思っていたからか、案の定、少々物足りなさそうな口調でしたが、それを察した私は「よかったじゃない!交際は順調だね!」と全力で肯定しました。彼女の常識が、カップルの交際の常識ではないと早くわかってほしかったのです。

 こじらせていた彼女も、DV男でもモラハラ男でもない、現代的な草食系男子たち数名と交際を重ねるうちに、「こういう控えめな愛情表現もある」と納得し、そのうちの1人と半年後に成婚に至りました。

以下ソース
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/335618/