0001逢いみての… ★
2024/03/26(火) 22:18:31.53ID:CAP_USERSTSSは「人食いバクテリア」とも称され、猛スピードで筋肉や皮膚組織を壊疽させてしまう恐ろしい感染症だ。そして、たしかに年々、感染者数が増えている。1987年にアメリカで最初に感染例が報告され、日本で見つかったのは1992年に遡る。国立感染症研究所のIDWR(感染症発生動向調査週報)速報データによれば、2023年1年間に国内で報告された患者数は、前年比209人増の941人(速報値)。新型コロナウイルスにおけるマスク徹底などの影響か、ここ数年は減っていたが、調査を始めた1999年以降、過去最多だった2019年(894人)を上回る数だ。
実際にSTSS患者を診察した経験を持つ、感染症内科医でグローバルヘルスケアクリニック院長の水野泰孝氏は、病原体やその症状についてこう説明する。
「STSSの発症メカニズムは完全にはわかっていませんが、どこにでもいる溶血性レンサ球菌(溶連菌)の一部に強い毒素を出すタイプがあり、劇症型を引き起こすとされています。溶連菌には何種かありますが、一般的には小児のいん頭炎などの原因菌(A群溶連菌)として知られています。発赤毒素を持っていて、猩紅熱(しょうこうねつ)やとびひの原因になったりします」
不思議なのは、本来子どもに多い溶連菌感染が、STSSとなると、30歳以上の大人に多くなることだ。水野氏の見立てでは、小児のいん頭炎などから菌が血中に入り込むのは稀で、「外傷などによる傷口が侵入門戸になるケースがほとんど」だという。
事実、水野氏が20年以上前に初めて診察した例がそうだった。患者は8歳の小児で、バスケの練習中に怪我をし、40度の高熱を出して足がパンパンに膨れ上がった状態で来院したという。
「本人は捻挫をしたと言うのですが、もともと傷があってそこに菌が入り込んだのかもしれません。当時はまだ、STSSの症例も今ほど報告されてはいませんでしたが、当時の上司がその可能性を示唆し、すぐに治療を開始したことで救命できました。
症状の進行はとにかく早い。高熱を伴い四肢が腫れる症例には、蜂窩織炎(ほうかしきえん)などもあるが、水野氏曰く、現在は「最初に疑わなければならないのがSTSS」だという。
「初期症状は高熱と四肢の痛み。菌が集まった場所に強い痛みと腫れが現われます。そして、数時間レベルでどんどん進行して筋肉や皮膚組織が壊死していきます。意識が朦朧として錯乱状態に陥ることもある。治療が遅れると、ショック状態から多臓器不全を併発して死に至るケースも少なくありません」
また、この疾患の特徴は『中央日報』も指摘するように、驚異的な致死率の高さにある。A群溶連菌による致死率は約30%とされるが、異なるタイプの溶連菌の場合、致死率は70%に達する場合もあるという。水野氏はまた、「最初にどんな診断が下されるか」で、その数値も変わってくると見なす。
「STSSを疑ったのであれば、“様子見”は許されないんです。見る間に進行するので、それに合わせて手を打たないと、取り返しのつかないことになる。最初から感染症に詳しい医師が診るか、そうでないかでも変わるかもしれませんね」
では、STSSに対してはどのような治療がなされるのだろうか? 水野氏は、「溶連菌に強く作用する抗菌薬の大量投与に尽きる」という。
「躊躇せずに点滴でどんどん抗菌薬を入れ、進行を食い止めるのが先決ですが、組織の壊死(壊死性筋膜炎)が進んでいる場合には、感染の広がりを早く止めなくてはならないので、壊死組織を取り除く手術を同時におこなうこともあります。早期に診断し適切な治療を開始できれば、救命できる感染症です。」
続く
以下ソース
https://smart-flash.jp/sociopolitics/279082/1/1/