【衝撃】「女性の性に関すること」が書かれている! ヴォイニッチ手稿の一部を解読!? 今度こそ本当か
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ヴォイニッチ手稿の一部を解読
謎多き写本で知られる「ヴォイニッチ手稿」は、5人の異なる筆写者によるものと考えられているが、その文章は暗号化されており、未だ解読されていない。だが、最近新たな説が浮上してきた。
1912年にイタリアでこれを発見した古書蒐集家の名にちなんで名付けられたヴォイニッチ手稿は、謎の文字とほぼ全ページに描かれた挿絵を特徴とする羊皮紙の古文書だ。
オーストラリア、マッコーリー大学のキーガン・ブリュワー氏らが『Social History of Medicine』で発表した論文によれば、この手稿の主題の1つは中世ヨーロッパにおける「女性の性と生殖」であると考えられるそうだ。
ヴォイニッチ手稿が書かれた時代ははっきりしない。だが、放射性炭素年代測定の結果によれば、羊皮紙に使われている羊は、95%の確率で1404〜1438年に死んだだろうことを示している。
それは必ずしもその時代に書かれたという意味ではない。もっと後に書かれた可能性はある。
実際、このヴォイニッチ手稿の一番古い所有者は、判明している範囲では神聖ローマ皇帝ルドルフ2世の関係者でその生没年は1552〜1612年とされている。
また、そこに記載されている挿絵のいくつか(例えば、星座のシンボル、王冠のデザイン、アゲハ型マーロンという城壁のデザイン)から、これが南ゲルマンか北イタリアの文化圏で作られただろうことがうかがえる。
ほとんどすべてのページに挿絵が描かれており、そのモチーフの多くは植物で、銀河や星雲らしきものもある。
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三つ折のページを展開したもの。上に文字が書かれ下に植物のようなものが描かれている / image credit:public domain/wikimedia
だがそれらの中には、その当時の薬草や天文学の写本にはあまり見られない描かれ方をしているものがある。
例えば、裸の女性が手にする物体が、その性器のそばやそれに向かって描かれているのだ。
オーストラリア、マッコーリー大学のキーガン・ブリュワー氏らによるなら、こうした挿絵の裏には、中世後期の婦人科学や性科学的な意味合いが隠されている可能性があるという。
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ヴォイニッチ手稿には裸の女性も多く描かれている / image credit:Yale University Library
それを確かめるためブリュワー氏らが着目したのが、ヴォイニッチ手稿が作られた同時代・同地域に生きたバイエルンの医師ヨハネス・ハートリーブ(1410〜68年頃)という人物である。
ハートリーブは植物・女性・魔術・天文学などについて著作を残している。
だが注目すべきは、彼が避妊・堕胎・不妊に関連する処方箋や処置を記す際は”秘密の文字”、つまりは暗号を使用すべきと述べていることだ。
なぜ彼はそのようなことを推奨していたのか? その理由を知るヒントは、彼の倫理観にあるかもしれない。
ブリュワー氏によると、ハートリーブは自分の著作によって”女の秘密”が広く知れ渡ることをひどく危惧していたという。
それは婚外交渉を助長しかねず、そのせいで彼に天罰が降るかもしれないと恐れていたのだ。
彼の著作の中で、産後の膣に使用する軟膏・女性の性的快楽・女性が動物を出産したという話・妊娠のための正しい体位・性欲を左右する食事のアドバイス・毒草・幻覚作用のある植物・避妊薬・堕胎薬など、特定のテーマについて書くことを拒否したり、ためらったりもしている。
またバイエルン語で男性貴族向けに書かれた著作において、ハートリーブはそうした知識を売春婦・平民・子供、さらには当時識字率が高まりつつあった女性自身にもみだりに伝えるべきではない旨を述べている。
こうしたハートリーブの価値観は、男性と女性の結婚や女性の”慎み”を重んじるその時代において、典型的なものであるという。
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女性の手にある物謎めいた物体は女性器を向いている / image credit:Yale University Library
実際、その当時はそうした”女の秘密”が検閲されることもあったという。それゆえに隠されることもあった。
続く
以下ソース
https://karapaia.com/archives/52331141.html ヴォイニッチ手稿のものではないが、ブリュワー氏らはその時代の暗号をいくつか解読している。
一番長かったものは、中世後期の北イタリアで使用された21行の文章で、その内容は中絶などの婦人科に関連する処方だった。
また、著者や読者が自ら婦人科学や性科学に関する情報を隠したケースも多数発見されたという。
たいていの場合、生殖器の名称や処方箋に使用される植物の名称などが隠されるだけだが、ページや章ごと削除されることもあった。
例えば、ある写本には、透明人間になる魔法や、女性を手込めにする魔法が説明されていたが、そこからの2ページが削除されていた。
さらに、それを行なったらしき人物による「無理からぬこと」という記述も見つかっている。
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裸の女性が描かれた挿絵 / image credit:YBeinecke Rare Book & Manuscript Library
ブリュワー氏らは、こうした視点からヴォイニッチ手稿のイラストを分析した結果、手稿の中で最大かつ最も手の込んだ「ロゼット」と呼ばれる挿絵が、中世後期における性と妊娠についての理解を表したものであると主張している。
例えば、中世後期には、子宮には7つの部屋があり、膣には2つの開口部(外側に1つ、内側に1つ)があると信じられていた。
ブリュワー氏らによれば、ロゼットの9つの大きな円は、これらを表していると考えられるという。
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手稿の中で最大かつ最も手の込んだ挿絵「ロゼット」/Yale University Library
中央の円が外側の開口部、左上の円が内側の開口部を表したもの。また中央の円を除き、円のフチはどれも滑らかに描かれている。これは体外にあるものか、体内にあるものかを表すという。
左上の円から中央の円に向かって何やら管のようなものが伸びているが、これは静脈だと考えられる。
中世後期のヨーロッパの医学に影響を与えたペルシャの医師アブ・バクル・アル・ラージーは、処女の膣には5本の静脈があると記しているが、これを反映したものであるらしい。
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5本の管は静脈と考えられる/Yale University Library
また当時、妊娠するには男性と女性の成分が必要だと考えられており、どちらも「精液」と呼ばれていた。
これらは黄(男性の精液)と青(女の精液)で表されている。こうした精液が子宮の中で動くと、女性は快感を感じるとされ、それは線や模様で描かれている。
さらに子宮には2本のツノやトゲがあると考えられていたが、それらしきものが右上と右下の円に見られる。
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当時、子宮には2本のツノが生えていると考えられていた。これはそれを描いたものだろうか?/Yale University Library
ロゼットには城や壁のようなものも描かれているが、これは言葉遊びである可能性があるという。
ドイツ語「schloss」は「城」や「鍵」を意味するとともに、「女性器」や「女性の骨盤」といった意味もあったからだ。
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城らしきものは、当時の言葉遊びかもしれない/Yale University Library
左上と右下に太陽が描かれているのは、「太陽が妊娠初期の胎児に自然な熱を与える」というアリストテレスの考えを反映しているそうだ。
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アリストレスによれば、胎児は妊娠初めの頃、太陽の熱で温められるのだという/Yale University Library
こうした解釈は今のところ仮説に過ぎない。だがヴォイニッチ手稿は女性の性や生殖を記したものという視点でほかの部分も解読してみれば、これまでわからなかった新事実が浮かび上がってくるかもしれない。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています