12月4日(日)

開発中の有人宇宙機イメージを持つPDエアロスペースの緒川修治社長(中央)を、出資者であるHISの澤田秀雄会長(左)とANAホールディングスの片野坂真哉社長(右)が囲んだ(撮影:大澤 誠)

10年後には、日本発の宇宙旅行が当たり前になっているかもしれない。そんな「夢」の実現に向け、旅行、航空、宇宙機開発のプレーヤーが手を組んだ。

HISとANAホールディングス(HD)は12月1日、宇宙輸送の事業化に向け、宇宙機開発のベンチャーであるPDエアロスペース(愛知・名古屋)に出資したと発表した。出資額はHISが3000万円(出資比率10.3%)、ANAHDが2040万円(同7.0%)。
PDエアロスペースは国内で唯一、有人宇宙機開発を手掛ける企業。宇宙旅行などの商業運航を2023年末までに始めることを目指す。HISは旅行の商品化、ANAHDはパイロットの供給や運航実務などで協力する。

■わずか「5分」の宇宙旅行を計画

PDエアロスペースは、旅客機のように繰り返し使うことのできる宇宙機を開発中。三菱重工業やアイシン精機でエンジニアだった緒川修治社長が2007年に設立した。

同社の特徴は宇宙機のエンジンにある。大気中を飛ぶのに必要なジェットエンジンと、宇宙での飛行に必要なロケットエンジンの2つの機能を、1つのエンジンで切り替えられるものだ。
2012年に特許を取得したという。「従来の航空機のスタイルを踏襲する簡素な仕組みだ」(緒川氏)。

宇宙旅行といっても総飛行時間は90分で、無重力空間を体験できるのはわずか5分ほど。
地上を離陸するとまずジェットエンジンで飛行し、高度15キロメートルでロケットエンジンに点火、高度50キロメートルでエンジンが停止し、慣性の法則でそのまま大気圏を抜け、高度100キロに達する。

ここでわずかな無重力の時間を楽しみ、地球の写真を撮ったりするという。そこからは重力に任せて落下し、高度が下がってきたら再びジェットエンジンに点火して着陸するという流れだ。

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海外には先行するライバルも

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引用元:東洋経済オンライン http://toyokeizai.net/articles/-/147737


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