さ*きさんは、たくさんの荷物をまとめて、それらすべてを両手に抱えながら男性の待つ店の玄関外へと向かっていった。
新宿本店の男性ルーム内ではスタンディングオベーションこそおこらなかったものの、誰もが軽く感動していた。
さ*きさんの外出が決まった後、少し余韻に浸って、すぐに新宿本店から出ていった客が数名いた。
おそらく、近隣店舗で地蔵している常連仲間とこの顛末を語りたかったんだろう。
俺の場合は、感動のあまり新宿本店の男性ルームから動けなくなって、30分弱そのままで過ごした。
清々しい気分になった土曜日で、さ*きさん外出から30分後、おれは自分の人生を考え直した。
人間あきらめずに継続することの大切さを学んだ気がして、そのまま自宅に戻って来週の昇進試験の勉強を始めた。
しばらく酒も断とうと思う。