アメリカのキリスト教徒の割礼は、元々イギリスで19世紀末に始まった「健康」を
理由にした割礼ブームから来てるんだよ。
それが旧英連邦のアメリカ・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドに広まった。
広まった理由は「割礼しないこと」に対する人々の宗教的不安が背景にあるからだ。

ユダヤ教の割礼は「神との契約の印そのもの」であって絶対的なもの。
しかしキリスト教はそれを廃止した。そのかわりに洗礼を行う。
ところが新教が出てきて聖書を人々が直接読むようになると、旧約聖書の部分は
ユダヤ教のため、「割礼しなければならない」という記述が度々出てくる。
新教徒つまりプロテスタントは、聖書を絶対視するので、ここで矛盾が起きてしまう。

そこに付け入ったのがイギリスの「健康」を理由とする割礼。
つまり目的が違うからキリスト教の割礼廃止とは矛盾しない。そして宗教的安心が得られる。
ところが「健康」の方は、医学が未発達な頃の迷信の塊にすぎなかったため、
1949年にイギリスの医学者ガイルドナーが医学的にすべてを否定し、
医学も進歩していたので受け入れられて、英国政府は健康割礼を否定。
割礼の補助金も打ち切って、イギリス割礼ブームは終焉する。

しかしアメリカなどでは頑迷に残り、未だにHIV感染の防止に有効とかの似非医学が
大手を振って歩いている。宗教的不安が原因のため、潰しても潰してもまた新しいネタを
出してくる。日本の割礼屋は、ガイルドナーが否定した古い迷信まで未だに使ってる始末