316続き
走り出した電車の揺れに合わせて、恥骨のあたりに押し付けた手の甲を離しては、またちょんと触れる。
表情を見ながらちょんと押し付けて、離して
今度は手の甲を恥骨に擦り付けるように押し当てて、また離して。
たまに顔を上げ周りを見るけども、じっと顔を見てると娘はすぐうつむく。
右肩を落とし、人差し指の第2関節のあたりで恥骨の少しだけ下のあたりに触れてみる、離す。
つんつんされてるのは流石にわかるだろうに、それにしてもこの娘、腰を引いたりしない。
後ろに下がれない感じかなぁ。手の甲をつけたり離したり、第2関節を恥骨のあたりに長めに押し付けたりを繰り返してると、娘はうつむいたまま目をつぶった。

少し強めの揺れに合わせて、手の甲を少し返して人差し指の付け根を恥骨の下のあたりに押込み、離す。
娘は少し目を開いて、また目をつぶった。唇に力が入ったかな。