かなり古い小説、「百舌の叫ぶ夜」逢坂剛
記憶を失い、海岸で発見された新谷和彦は、妹と名乗る女によって身元を確認され、引き取られる。
しかしそれは新谷を始末するために何者かが仕組んだ罠だった。
身体に染み込んだ技で刺客を撃退した新谷は、自分が暴力と殺しに慣れた人間であることを知り愕然とする。
自分は何者か、何を知って命を狙われたのかを探りはじめる新谷。
残された手がかりから、“妹”とは女装した新谷自身だと知るが……。
結論から言うと、新谷は双子で、女装していたのは弟。
弟は日常的に女装しており、兄・和彦の妹であり妻、“女”として生きる一方、生来の才能から暗殺者“百舌”として開花していった。
大企業の闇を知りすぎた和彦が殺された日…百舌は和彦を驚かせてやろうと“男装”して跡をつけていた。
そして兄を追って海に飛び込んだショックで記憶を失い、和彦と間違われたのだ。
記憶を取り戻した百舌は、最愛の兄を奪った者たちへの復讐を決意する。
百舌の正体と殺人動機が明らかになるのはラストでまさにスレタイ。
兄への純粋な愛が切ない。
シリーズは五作あり、新谷が関わっていた巨大な陰謀が解き明かされる……けど
二作めからは、事件の真相を追う刑事が話の中心になるのでBL要素はなくなるのが残念。