小説「閉じた本」

事故で盲目になった初老の有名小説家が、執筆代行をしてくれる青年を雇うところから始まる
初老で偏屈な小説家は、事故によるショックでますます自閉的になり時事もまるでわからない状態だったが、
明るく爽やかな青年に近頃のニュースなど教えてもらいながら少しずつ心を開いて行く

意固地な部分がある小説家と、そんな小説家の嫌味が効きすぎた発言をさらっと流す包容力ある青年に萌えながら読んでいたが
青年が小説家の目が見えないのをいいことに、小説家を騙す言動をしていた事が次第にわかっていく
今の大統領は誰々だ、あの有名人は死んだ、○○大学には新たな銅像が建った……という、
青年が語った時事の数々がデタラメで、その発言をもとに書いていた小説家の自伝小説は
とんでもない電波文になってしまっていたことに、小説家は気づいてしまう

実は青年は、執筆代行の募集でやってきた初対面の人物ではなく、小説家が教師をやっていたころの教え子だった
まだ幼く無垢であった頃の青年を小説家はホモレイプしてすっかり青年をガチホモ嗜好に変えてしまった
しかし、小説が当たった途端に小説家は教師をやめて去ってしまい、青年には屈辱だけが残された
青年は失意の中で浮浪者のような生活を送った末に
恋人の男と同棲するようになり満ち足りた日々をすごしたりもしたが、
それでも小説家への復讐心が捨てきれず、小説家の小説をボロクソにした末に殺すつもりでやってきたのだった


801萌えというか虐待の領域かもしれないが、それまで丁寧口調だった青年が怒りを爆発させながら
「おめーが俺の口にちんぽ突っ込んできた事ゆるさねーから」みたいな乱暴な言動しだしたのがショッキングだった