付き合って間もない二人
「俺と付き合って欲しい」と、そんなありふれた告白をしてきたのは赤井。僕も、奴の事は好きだった。だからOKした。
付き合って一週間が経った今日、赤井の家へ初めてのお泊まり。二人とも酸いも甘いも経験してきたいい大人で恋人同士になって一週間ともすれば今日一線を越えるんだろうなと思った。
男同士の経験なんてものはないけれど赤井になら抱かれてもいいかな、なんてくらいには思っていた。
「零君、良ければ一緒に寝てくれないか?」
夕方に赤井の住んでいるマンションへ着いて用意されていた赤井の手料理を食べ、それぞれ別にシャワーを浴びてリビングで談笑している頃には夜になり、その時はついにきた。きっとこれから僕の身体は奴専用に作り替えられてしまうのだ。
「…構いませんよ」
僕の素っ気なさを装った返事に心なしか赤井がほっとしているような気がする。先にベッドルームに入っていった赤井の後を僕は着いて行く。
「おやすみ、零君」
「ええ、おやすみなさい赤井」
クイーンサイズのベッドに向かい合って横になると唇に触れるだけのキスをされた。