達した後に背中から優しく抱きしめ、枕に顔を押し付ける君に、初めて「零くん」と彼の本当の名前を呼んだ
けれど反応がなく、眠ってしまったのか、それとも気を悪くしたのかと不安に思い、もう一度だけ呼んでみた
零くん、もう眠ったか?と。
ゆっくりとこちらを向いた彼の目には、今にもこぼれ落ちそうな涙
「おかしいですよね、名前を呼ばれただけなのに」
たったそれだけの事なのに、こんなにも嬉しく思うなんて。
震えた声で、ぽつりと呟く彼を、愛しく思った