居眠り安室さん版権絵で小話






19時を告げる柱時計の音にコナンは本に落としていた顔を上げた。読書に熱中して随分時間が経ってしまったようだ。
一緒に来た安室は、と顔を向けると机に突っ伏して寝ていた。安室の寝顔なんて初めて見た。
安室さん、と声を掛けて起こそうとすると上掛け片手に沖矢近づいてきてシッと人差し指を立てた。
そのまま眠っている安室に優しく上掛けを掛けると、何よりも愛しいと言った表情で安室の寝顔を見つめた。
「昴さん、まさか泊めるつもり?」
声を潜めてコナンが問いかける。
困ったように眉を下げ(芸が細かい)、沖矢は駄目でしょうか?と本来の家主に問い返した。
「バレないようにする自信あるの?」
再度の問いに沖矢は顎に手を掛け数瞬思案ののち、
「無理かもしれないな。彼の誘惑には抗いがたい」
といい笑顔で言い切った。
バーロー……とコナンは疲れた空笑いを上げ、安室を起こすのだった。
残念そうな沖矢は無視した。