兄弟子ヴィクトルの恋人勇利に想いを寄せる大人になりつつある少年ユリオ
ユリオは勇利が自分を子供扱いすることに不満を抱きながらも
それを利用して無邪気を装い手を握ったり抱き寄せたりして少しずつ距離を縮めていった
あからさまな恋のアプローチにも勇利は全く気付かないがヴィクトルの目には明らかだった

ある日ユリオはいつものように勇利にハグしようと手を伸ばすと
横から颯爽とヴィクトルが現れ勇利を抱き込み見せつけるように頬にキスをした
幸せそうに笑う勇利
ヴィクトルは勇利に優しく微笑んだ後
「勇利にこれ以上近づくことは俺が許さない」とでもいうように鋭い視線をユリオに向ける

悔しさに拳を握りしめるユリオ
今はどうすることもできない
大人になれば彼を奪えるのだろうか…
いつかはあんなふうに勇利を包み込める大人になれるのだろうか…
「俺は諦めない」ユリオはヴィクトルの視線を逸らさずに静かに宣戦布告をした
同時にユリオの子供時代は終わりを告げたのだった