ベタな七夕小ネタ

「おはよう降谷くん」
「おはようございます、赤井捜査官。まだ日本にいたんですか?あとは我々に任せて、今日にでもアメリカにお帰りください」
「ハハハ、君は毎朝面白いな」
「チィッ!」
「ところで今日は七夕だな。君は星に願い事はあるのか」
「願いは日本の平和ですね。自分で実現させますが」
「君らしいな。俺は七夕には想い出があるんだ」
「はぁ?あなた日本人じゃないのに?」
「子供の頃日本に来た事があって…丁度この時期だった。ショッピングモールを1人でうろうろしていたら、広場に大きな笹が飾ってあった。それを見ながら悲しそうにしている、俺より2つか3つ年下の男の子がいたから、思わず声をかけたんだ」
「親切ですね〜」
「男の子は、短冊を笹に結びたいのに手の届く所はもう一杯でつけるところがない、これじゃあお星様に願いを見てもらえないって泣いてた…その子の短冊には確か『家族がほしいです』と書いてあった」
「………」
「俺もまだガキだったが、精一杯背伸びして届く限り高い所にその短冊を結んでやったんだ」
「……とても大切なお願いだから…星が見やすい所に飾ろう…って…」
「ん?そうだな、そんな事も言った気がするな」
「それで、どうなったんですか?」
「彼はお兄ちゃん、ありがとうって言って笑顔で去っていったよ。俺はとてもいい気分になった」
「ふーん…」
「だが、失敗した。後から気づいたが…あの時あの子にお礼のキスぐらいしてもらえば良かった」
「なっなに考えてっ!お前最低だっ!!」
「褐色の肌に大きな垂れ目の最高に可愛い子だったんだよ。おかげで今でも、そういう子がタイプだ」
「あ〜」
「本当に天使みたいな子で、どうしても放っておけなかった。笑顔が見たかった。しかし、惜しい事をした。残念だ」
「え〜」
「物陰に連れ込んで、優しく頼めばチャンスはあったかもしれない。『もし良ければ、俺にご褒美のキスをくれないか?』って」
「……いいですよ」
「何がだ?」
「 今からでも…その、あなたがいいなら…お礼をしても……いいですよ」
「……ホー!」