>>389
いつも同じ電車に乗ってくるお兄さんがいました。
お兄さんは僕より遅く乗って来て僕より先に降ります。いつもひとりで音楽を聴いているようです。
僕はその人のことが気になって仕方がありませんでした。
ある日、電車の中でそのお兄さんの携帯が鳴りました。僕の胸は高鳴りました。
はじめてその人の声を聞いたのです。
少し掠れた囁くような声でした。