私の名前は内海紘子
いまラリアにバカンスに来てるの
マモ風のイケメンはいないかしら?

そんな紘子の前方に見たことのない景色がひろがった
行き交う人波の中明らかにそこだけが輝いて見えたのだ

「ヘイ レディー、きみジャパニーズか?」
「そうよ」
「観光なら俺が案内してやるぜ!」

紘子は目の前のどストライクの男を見て、なんて自分は幸運なのだろうと天を仰ぐ
どうやら男はポリスのようで、派手な赤い髪をひとつに束ね前髪を触覚風にチョロンチョロンと下ろしていた
シャツを第三ボタンまで開け紘子の目線からウルトラセクシーな谷間がのぞく
だがただ一点、紘子の心に引っかかることがあった

「ヘイ紘子、あの広場でジェラート食おうぜ」
「ええ、そうしましょう凛」

紘子は思い切って凛の唯一気になる点を指摘する
「ねえ凛、あなたズボンのジッパーがずっと全開で性器を丸出しなのが気になるわ
いったいどうしてなの?」
「やっときいてくれたか
こいつの名前はスペシャルジュニア凛
俺の相棒さ!」
「スペシャルジュニア凛...」
「おっとそんなに見つめるな、こいつが頭もたげちまう」
「でも凛と出会ってからずっと気になってたの、いくらラリアでも丸出しはまずいわ」
「知らないのか紘子
俺はラリアいちのファッショナブルなポリスさ!
スペシャルジュニア凛をこんにちはさせるのが俺のステータスなんだ!
なに、心配するな
俺になにかあったらダチのホモゴリマウンテンが駆けつけてくる」
「でも」
「俺と紘子のラブを誰も邪魔することは出来ない
そうだろ?」
紘子は凛の真剣な眼差しに、胸を熱くする
凛のさしだすスペシャルジュニア凛をそっと手でにぎると、視線を絡ませ微笑み合う
周囲の人たちにどよめきが起こるが、そんなことは気にならない
「さあ行こう、俺たちの未来へ!」
紘子の耳にスペシャルジュニア凛の声が聞こえた


燃え上がる二人の様子を広場の片隅で眼光鋭く見張る者がいた
「くそ、あの女
俺の凛だけじゃなく、スペシャルジュニア凛にまで手を出しやがった
許せねえ!」

遠く光る雷光に紘子はまだ気付くことはなく、凛のギラギラと欲望に満ちたスペシャルジュニア凛をうっとりと見つめていた