ぼくはどうなってしまうんだろう。
ぼくもびょうきなのだろうか。
らんらんは思いました。人間のおじさんがいつもと違う動きをして機械ををたくさん使っていて、それがとても怖いのでした。
残ったらんらんたちは違う小屋に移されました。
らんらんは昔やってみたいことがあったのでした。
小屋から見える山、そこにひときわ大きな木が見えるのです。
その木はいつもどっしりと立っていて、赤や緑になってとてもきれいなのでした。
あれを下から近くで見てみたかったんだった。
でも、いつしか小屋でのみんなの生活も楽しくて、そんなことは忘れていました。
らんらんは小屋から空を見上げました。
きらきらと輝いて晴れ渡っています。あの木は今日のような夜は星を纏っていることでしょう。
らんらんは短い足で駆け出しました。
その日いっぴきの家畜が小屋を逃げ出しました。