オークション ※商品は赤井さん


じゃらり
極太の鎖が音を立てる
その片方は床に打ち付けられた鉄の輪に繋がりもう片方は舞台の中央に立つ男の鉄の首輪へと嵌められていた
癖のある黒髪と睨み付ける瞳
裸の上半身には抵抗したときついたのかあちこちに殴打されたアザ
両の手は後ろ手枷が嵌められている
下半身は簡素な黒のタイツ
ぴったりとしたその布地は男の股間のブツの大きさを如実に伝えていた
彼がステージに連れられて来た瞬間から仮面で顔を隠したマダム達ーそして一部の紳士達ーは股間を凝視し矯声をあげたものだ
なんて美味しそう!
男はただじっと虚空を睨み付ける
他も『商品』たちは少しでもよい買い手を得ようと必死に体をくねらせたり流し目を送ったりと媚びを売ったが彼はけして動かなかった
そんな男の雰囲気に飲まれていた会場とオークショニストの沈黙はすいっと挙げられた手とその男の声で破られる
「始めても?」
甘く優しく残酷な
トロリと耳に流れ込んで脳を犯すような極上の響き
金髪を片側だけ後ろに流した丁寧なめした極上の皮のような肌の美丈夫がとろけるような微笑みとともに発した声だった
ハッと我に帰ったオークショニストが声をあげる
「非合法軍事会社で捕獲した戦場帰りの黒豹です!見てくださいこの鍛え上げられた無駄のない筋肉の筋を!
そしてこの強い輝きを持った1対のエバーグリーンの瞳!野生のままの狂暴さですがこれをしつけるのもまた一興かと。
さあ、10万ドルからスタートです!」
次々に手があがりみるみる値がつり上がっていく
50万、100万、200万……
その間も黒豹は眉をピクリとも動かさず参加者達をちらりとも見ない
「1000万!」
大粒の宝石をあしらった指輪を両手にこれでもかと盛ったいかにもなマダムの声を最後に会場は静かになった
「1000万!他にいらっしゃいませんか?」
オークショニストがハンマーを振り下ろそうとしたその瞬間だった
「……1億」
果たして声を挙げたのは

ステージに立つ『商品』、黒豹本人だった
ざわざわとにわかに騒然となる会場
それを気にもとめず黒豹は紡ぐ
「1億で、俺は彼に買われる」
くいっと顎で指し示したその先にいたのは先ほどの金髪褐色の男だった
「ふぅん?」
気だるげについた頬杖のまま笑みを浮かべる
オークショニストが慌てて事態を収めようと持っていた警棒を黒豹に振り下ろした
二度三度、ガツガツと思い切り打ちすえられるも黒豹は金髪の男を見つめるのをやめない
「……それ以上は駄目」
黒豹の頭から血が流れたところで男はストップをかけた
そして自席から立ち上がるとスッとステージに近づき上がる
まるで演出の一部のように行われる行動にガードマンも制止を忘れ見惚れる
ステージ立った金髪の男は片足の靴を脱ぐと踞る黒豹に靴下の足を差し向けた
「脱がせて……」
言われるまま口で靴下を脱がせる
パチンと小さな音が響き男のシルクの靴下は靴下留めから外されするすると脱がされた
現れたのは艶かしい褐色の足先
指の先まで完璧な形をした芸術品
ほぅ…と会場から感嘆のため息が漏れでる
「ん、いい子……」
男はそういうと爪先で黒豹の顎を救い上げ喉をくすぐった
そのまま首筋、肩と足で撫でる
あたかも猫をじゃれさせるように
黒豹の目がキラリと光ったのはその時だ
顔の横に来た男の足指にパクリ食いついた
そのまま形のよい指に舌を這わせ一本一本丁寧にねぶる
「……んっ」
耐え切れなくなったのか金髪の男ふるりと小さく震えた
その隙を見逃さず黒豹は男を押し倒そうと一気に体を起こし男に迫る!
が、それは叶えられなかった
黒豹を繋いだ鎖がビン!とその行動を抑制したのだ
黒豹に触れられないまでも勢いで尻餅をついた金髪の男は耐えきれないとでもいうように笑い声をあげた
「ふふっ……は、はははは!いいね、気に入りました。買いましょう、これ」
オークショニストに支えられながら脱がされた靴下を拾い上げて履き男はもう一度黒豹に目をやった
その股間は完全に勃起していた


なんか任務で潜入してたんじゃないかな(鼻ホジ)
安室くんは鎖に繋がれながらじゃれようとして届かない犬みたいで赤井かーわい♡と思って愉快になってる
赤井さんは内心今晩は抱き潰してやるっておこだよ!