SSというかしょーもない小ネタ 2/2
狼男と吸血鬼



半年が過ぎ、俺は訓練所を首席で卒業した。記念の首輪も貰ったが、ダサかったので途中で捨てた。
懐かしい零くんとの家に帰ると、天気が良いので零くんは吸血鬼だが庭で洗濯物を干していた。
「赤井!お帰りなさい!」
「零くん!」
俺はあらん限りの勢いで尻尾を振って零くんを抱きしめ、顔中ベロベロ舐めて、身体中フンフン匂いを嗅いだ。
他の雄の匂いはしなかった。
零くんは清らかな体で俺を待っていてくれた。
「卒業おめでとう…赤井、大きくなりましたね」
零くんは感心したように言った。
「やっぱり獣は成長が早いな」
この半年で、俺はさらに背丈が伸び、肩も広く胸板も厚くなった。
酒も煙草も覚えた。
もう、立派な大人の雄だ。
「零くん…会いたかった」
「僕もですよ。赤井の好きなものいっぱい作ってありますからね〜」
「ああ、食べたいな…」
「ふふっ。カレーでしょ、シチューでしょ、肉じゃがでしょ」
いや、違う。俺が欲しいのはそっちじゃない…。
「さぁ、家に入って」
零くんが俺の手を引いた。
零くんは相変わらず、丸くてむっちりとした尻をしている。
俺は舌舐めずりをした。
零くんに続いて家に入ると、俺は後ろ手に玄関ドアの鍵をがちゃりと閉めた。
「赤井?どうしました?」
零くんが不思議そうに俺を見た…。