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【服売りのううり】あらすじ

とあるアパレルブランドに勤務するううりは販売員として店頭に立つ日々を送っていた
健気に声掛け、接客をするもううりはなかなか販売実績を上げることができない
そんな中、毎日ううりを遠くから眺める一人のモブおじがいた
モブおじは一大決心をした
コツコツ貯めていた500円玉貯金の缶を崩し、ううりのノルマ貢献のために高級オーダーメイドのスーツを買おうと決めたのだ
大量の硬貨を入れたジップロックを手に震えながら店先に足を運んだモブおじが見たのは
とろけるような笑顔で接客するううりと、嬉しそうに体のあちこちをメジャーで測られている謎の外国人だった
ううりと銀髪の外国人は楽しそうに会話に花を咲かせている
ーー1着50万円……ワオ、随分と安いんだね!
ーーノルマがあるの?なら俺がその分以上に買ってあげるよ
ーーどうせなら君を店ごと買い占めたいな……なんてね
ーーこんな可愛い子にノルマを課せるなんて……許せないな
ーー今月末が誕生日なんだって?ならお祝いに君の分のスーツも俺が買おう!もちろん俺とお揃いでね
そんな、悪いです、 と口にしながらもううりは満更でなさそうな顔で謎の外国人を熱く見つめていた

その翌日、ううりは店頭から姿を消した
店長に話を聞いたところ昨日の夜、大使館が、ビザの申請が、などと口にしながら慌ただしく退職願を出して去っていったらしい
モブおじは持っていた大量の硬貨を1枚だけ残して全てゆうちょに預け入れ
その足で掘り出し物を見つけにしまむらへ向かうのだった