書き逃げSS
書道家赤井×お茶の師範安室(2/2)



「あ、やだ。ペンを落としてきたわ」
安室を離れに案内してから30分後。モブ子は懐に入れていたお気に入りのペンがないことに気づいた
落としたとしたらおそらく秀一の離れだ
「人払いを、と言われたけど……。ちょっと拾ってすぐ立ち去るならいいわよね」
大事なペンなのだ、少し探して見つからなければまたあとで改めて探せばいい
そんな軽い気持ちでモブ子は離れへ足を向けた

果たしてペンは障子の前に落ちていた
モブ子は物音を立てないように静かに近づきペンを拾い上げた
安堵し、立ち去ろうとした瞬間、薄く隙間の空いた障子の向こうの光景がモブ子の目に飛び込んできた
そこには全裸であおむけになった安室の足を割って、着物の帯を解き前を開いた格好の秀一が体を押し付けて前後に腰を振っていた
秀一が腰を打ち付ける度、ソコからはぐちゅぐちゅとした水音がたち、のけぞる安室はピンととがった胸のいただきを晒す
「あ、んん、も、や、ああ……!」
安室の口からは意味をなさない喘ぎ声がひっきりなしに漏れでる
秀一がひときわ強く腰を押し付けると、安室の足がピンっと伸びその後ぴくぴくと痙攣した
秀一も眉根をよせこらえるような表情でぐっぐっと腰をゆする
数瞬のち、二人は同時に脱力した
安室の胸に倒れ伏した赤井は丁度そこにあった乳首を指でいじり、舌で転がす
「ん、馬鹿。もうだめですよ……」
喘ぎかすれて色をにじませた声で安室が咎める
しかし本気ではないのだろう、くすくすと笑いが含まれている
「そうだな、君はココをいじるのは指や舌より筆を好むからな」
身を起こした秀一は、傍らにあった筆に水を含ませると、首筋からスーッとなぞり乳首でくるりと丸を書いた
「ばーか……、だめ、だってばっん……」
「今度は入れながら書いてやろう。ここまで入ったと腹に墨で線を書いてもいいな」
「それは本気でいや」
あまやかな二人の様子にモブ子は身を乗り出し障子に張り付こうとした
しかしばさりと秀一が安室の姿を視界から隠す
「赤井?」
「なに、ハエだ。零くん、それよりもう一回……」
安室に口づけを落としながらモブ子を一瞥
狼のごとき鋭い目つきでモブ子を威嚇する
モブ子は慌てて立ち上がり母屋に取って返す
自室にたどり着いた時バクバクとなる心臓を抑えながら、モブ子はすべてを理解した
「し、秀零……!」
次の新刊が決まった瞬間だった