空気読まんわいの理想のジンバボ聞いて

NOCバレして捕まったあむ
直々にジンが殺しに来て銃押し当てて「言い様だなバーボン、てめぇを殺せると思うと嬉しくてたまらないぜ」って煙草咥えたまま言うねん
対してあむはいつもみたいにジンがムカつくと思う笑顔浮かべて
「貴方は相変わらずですね。情報吐かせずに殺していいんですか?」って平然と言うんや
「そりゃ命乞いか?落ちぶれたなてめぇも」
「そうですね、死にたくはないから勝手に喋りますけど、貴方がずっと追ってるXX製薬会社は……」
って感じでジンがずっと探ってた情報をぺらぺら話し出すんや
ジンは目を見開いてその情報を聞くんや
めっちゃ詳細やし別の組織が絡んだりして複雑やから何時間もかけて語り出される情報をジンはいつの間にか銃降ろして聞いとんねん
そんでようやくこの事件の中心人物についてってなった時に
「……そろそろ夜明けですね。続きは明日にしましょう」ってあむが話を中断するんや
ジンはキレるけどその情報は組織にとってかなり重要やから殺せんし
何より夜が明けたら自分もあの方に直々に言われとる仕事があるねんもちろんあむはそれ知っとる
ジンは見張り置いて夜に拷問してでも吐かせるからなっつって一旦退散するんや
その夜あむは同じ場所に同じように座っとってジンはめっちゃ苛立つねん
逃げたら殺せんのに逃げずに情報吐くなら殺すのはまずいんや
そんで続き聞こうと思ったらあむが突然「それよりもっといい情報がありますよ」ってまた全然違うけどこれも組織がおってた情報を話し出すんや
昨日と同じように何時間もかけて詳細に語り続け夜明けになり一番重要な所を話さずに終わるあむの話にジンはほんまに腹立つけど
あむは鼻で笑いながら「殺したければ殺しても良いですよ」って言うだけやねん
それが3日続き4日続きとうとう一週間が経った7日目の晩
初めてジンは銃を構えてなくて最初からあむの横に座り込むんや
「てめぇが1000個の情報を落とせるならてめぇの勝ちにしてやるよ」
「千夜付き合ってくれるんですか?」
「話が尽きたらその場でてめぇは終わりだ。せいぜい自分の優秀な脳を信じるんだな」
って感じでそこからはただあむの落とす情報を夜明けまで聞く穏やかな時間が始まるんや
でも1ヶ月目のある日いつもより随分遅く現れたジンは仄かに血の匂いがして息も荒いねん
「ジン…?貴方怪我を……」
「今日の情報はこっちから指定させてもらう」
「え?」
「バーボン…組織でそう呼ばれた男の情報を洗いざらい寄越せ」
あむはびっくりするけど不自然に汗をかいてるジンを見てゆっくり話し出すんや
バーボンの事、安室透の事、そして1人の警官になった男の話を
長いようで短い男の生涯を語るあむ
「彼の本名は……」
ここまで言って窓を見るといつもの夜明けの色に染まっとるんや夜明けまで時間は早いのにおかしいな
ジンも気づいて新しい煙草に火をつけてフッと始めてみる穏やかな笑みを浮かべる
「千夜にゃ程遠かったな」
「……僕はシェヘラザード姫にはなれませんよ」
窓の外から人の話し声が聞こえてきて、ジンは銃を構えてあむの眉間に押し当てる
「引き分けだな、バーボン」
「……彼の本名は降谷零と言うんです。愛する日本の為に命を落とした愚かな男。最期の言葉は……『貴方で良かった』」
響く銃声、なだれ込んでくる警察やFBI
風見があむの名前を叫ぶ

2年半後眠る人のベッド前で煙草を吸いながら何かを語るあむ
すると眠り続けていた男が目を覚ます
「……おはようございます。今ので丁度1000話目ですよ。僕の勝ちです」
「………1001話目は死に損なった馬鹿な男の話か?」
「その情報は詳しくないので、貴方が話して下さいね」
めでたしめでたし