「なぁ、俺は」
「、僕は…」
「懐かしいものがたくさんあるんです。ここにはなんにもない」
「例えば…」
「例えば夏の雲とか、冷たい雨とか、秋の風の匂いとか」
「傘に当たる雨の音とか、春の土の柔らかさとか、夜中のコンビニの安心する感じとか」
「それから…放課後のひんやりとした空気とか」
「黒板消しの匂いとか」
「夜中のトラックの遠い音とか」
「夕立ちのアスファルトの匂いとか」
「、そういうものを、僕はずっと…」
「俺はずっと、と一緒に感じていたいと思っていたんだ」
「ねぇ、…僕たちは遠く遠く、すごくすごく遠く離れているけど」
「でも、思いが時間や距離を超えることだって、あるかもしれない」
リシテア号の救助に来た大人がと再会して一瞬と間違えられるけど
「違う俺だ、だ。迎えに来たぞ」
「―――っっ、ぃ〜〜〜〜」ってボロ泣きするたゃ