おきぬいが出てくる赤安SS※スコッチ死亡の真相ネタ注意1/2



沖矢が赤井だったと知って赤井と共闘を渋々受け入れた安室だがまだ誤解は解けていない
赤井と協力しなければいけないストレスでイライラしている安室の前におきぬいの幻覚が現れる
周りの人には見えず好き勝手なこと言って煽るおきぬいに初めはイライラの原因が増えたと思う安室
でも赤井と話している時におきぬいのツッコミがイライラ軽減してくれとることに気付く

例えば
「君は深入りしすぎるきらいがあるな。少し慎重になれ。焦らずとも情報は転がり込んでくるだろう」
「自分はスパイバレして深入りしようにも門前払いの癖に偉そうにですね。まるで心配しているように言ってますがただの嫌味ですよ」
あるときには
「阿笠博士に電波を傍受されにくい発信機を作ってもらった。ピンチになったらすぐに使え」
「颯爽と現れて助けて恩を押し売りするつもりですね。これだからアメリカンヒーローイズムに染まった男は嫌なんですよ」

おきぬいは自分の妄想だからおきぬいの言ってることは自分の思ってることで、実際おきぬいが来るまではそう思ってイライラしてた
でも自分じゃない存在から聞かされる『いけすかない赤井』はなんとなく違う気がする
ホントに赤井はそう思ってるのかな?赤井はそんな男だっただろうか?
だんだん自分の中の赤井像が揺らいでくる
そんな安室におきぬいはあの件で追い討ちをかける
「どうしたんですか?赤井は憎い仇でしょう?」
「そうだ、赤井は……」
「彼を自殺させた。そうですよね?」
「ああ、そうだ。ライの……拳銃で……」
「ライの拳銃で彼は自殺した。ライが渡したんですよね?」
「だってそれ以外に……スコッチがライの拳銃を手に取る理由が……」
「そうですよ。スコッチは丸腰だった。脅して拳銃を床に置かせ奪ったとは考えられない。まして間抜けにも奪われたなんて……」
「そう、そうだ……あのライが拳銃を奪われるなんて……」
「ですよね。まあジンを捕まえようとしてスパイバレするなんてポカもしてますが」
「それも、ライじゃない……あいつの仲間のすぃで……」
ふむとおきぬいは短い手を顎におく(届いていない)
「ずいぶんライを高く評価してますねえ」
「なっ……!そんな訳、ないだろ!」
「でもスコッチがライから拳銃を奪うことはあり得ないんですよね?ああ、ライを評価しているのでなければスコッチを低く見ている?」
「それも違う!スコッチは……あいつは抜け目なくてここ一番の時におもいがけない手考え付くトリックスターで……手癖が……あっ」
「手癖が?」
「そうだ、あいつはすれ違い様に警察手帳抜くようなイタズラができるくらい、手先が器用だった……」
「スリになれますね」
「柔道で組んで……なぜかインナーが抜かれたり……」
「それは乱れた襟元が色っぽかったでしょうねぇ」
「もしライが追ってきて組み合いになったとしたら……」
「拳銃を奪うことが?」
「可能だ……」
呆然とする安室におきぬいは鋭い追及の手を緩めない(だが目は鋭くない、閉じている)
「ではなぜ彼は撃たなかった?得物を手に入れた彼は有利だ。組織の追っ手など返り討ちにしてしまえばいい」
「そうだ、あの時のライは組織の幹部……逃げるにはまず排除しなければならない障害……だけどスコッチは死のうとしてたから……」
「そうですね。拳銃を奪い、自分の胸に当てた。後は引き金を引けばあなたが見た光景の完成だ」
「そうだ、やっぱりスコッチは赤井の銃で……」
「でも違いますよね?」
「えっ?」
違いますよねの台詞を耳元で囁きたかったおきぬいは安室が呟いている間に見事登りきり絶妙のタイミングで見事台詞を告げた
「あなたはずっと『赤井秀一は自殺を強要した』と思っていた。その根拠はライの銃で死んだから。でも奪われた可能性に気付いた」
「あ……あぁ……」
「ライは本当は組織の幹部じゃない。FBIだ。FBIはスコッチの自殺を見逃す理由がない」
「でもそれは……スコッチの死を利用して組織でのしあがるため……」
「そうですね。あなたの知る赤井秀一はそういう男だ。そうですよね?」
「ちが……」
「どうして?赤井秀一はスコッチに銃を奪われ目の前で自殺るのを静観した。あなたの筋書きではそうですよね」
「だって……銃は赤井が……」
「そうですね。奪われたかも知れないなんてただの推論。やっぱり渡したのかも知れないです。でも……」
そこでおきぬいはわざとらしく間を置き耳に手を触れた(綿の感触だった)
「奪われていたとしたら、止めたとしたら、彼はなぜ引き金を引いたんでしょうね?」