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ジ ジージーと蝉の声が響きわたる室内で
ン 「ん…」と小さく漏れる声がジンの耳に届いた。
バ バーボンだ。隣で眠る彼は不愉快そうに眉を寄せた後、またすやすやと深い眠りに落ちていった。
ボ ボサボサになった髪の毛がやけに子供じみていて、ジンはそっと彼の前髪に触れる。
は 離すなら今のうちだ。誰かがそう囁いた気がして、ジンは忌々しげに煙草を加える。夏は始まったばかりだった。