:「聖なる知」「神のような領域」に踏み込んでいる人間と、すごく凡庸でいながら無垢な存在。
アッシュと英二とか、静香と十市とか。どうしてそういう関係がお好きなんですか?

吉田:私は基本的に天才が好きなんです。神に選ばれたやつみたいのが。
[中略]でも無垢なものって感覚で描いたことがないような気がする。「普通」の存在なんです。

:例えば、常識的に考えれば、美形で頭が良くて万能のアッシュみたいな奴が、
なんでそんな東洋から来た普通の男の子が好きなんだろうって感じになりませんか?

吉田:それはだって、ほら、○○さんの方がよくご存知じゃないですか。
二丁目に行けば、すごいデブが美少年に愛されて、「は?」みたいなことあるでしょ(笑)。

:ははは、じゃあアッシュって、かなりマニアっていうことなんですか? 

吉田:そう、実はすごいマニア(笑)。
「二丁目に捨てるゴミなし」のように、ちゃんとリサイクルできるんですよ。

そしてその『バナナフィッシュ』の「普通」キャラ、奥村英二ですが、吉田さんはお嫌いだったそうです。

吉田:最初はあまり好きじゃなかったんですけど、連載後にサイドストーリーの短編物を描いて、
やっとどうにか愛せるようになった(笑)。

:僕は月龍も好きなんです。

吉田:私、あれ嫌いなんですよ。