なんかそんな流れちゃうけどちょっと暗め短め留守電ネタSS

「僕です。元気にしていましたか?─────また電話します」
仕事が一段落したから電話をしてみたが残念ながら留守電となるのはこれが初めてではない。
弾みそうになる声を自制しながらこれを聞いてから折り返しされるであろう電話にきっと僕も出れないから50:50だ。
「僕です。元気にしていましたか?─────また電話します」
仕事の合間に少しだけ気分転換をする、光のない端末を持つ僕はなんて滑稽なんだろうか。
乗せれない電波にならもう少しぐらい素直な言葉を紡げば良かったかもしれない。
「……僕です……………ゴホッ……さようなら……」
仕事がようやく無事終結を迎えた、薄汚れた地面に背中をつけ空を見上げれば今日も美しい空が広がっている。
誇れる景色のはずが少しぼやけて見える、息も海の中にいる様に少し苦しい。
端末すら持ててないなんて不甲斐ない己に笑いそうだ。


おわり
このあと公安部下達頑張って見つけ出してくれて病院連れてってくれてギリセーフ