>>346

「出荷だよ」
小屋におじさんが入ってきました。
らんらんは檻の中に入れられました。ついに出荷の日でした。
次々とらんらんたちが頭に鉄のものを向けられては倒れていきました。
らんらんはぶたの最後を思い出していました。
ぶたが最初に言っていたのに、なぜかぶたが死ぬとはらんらんは思ってもみなかったのでした。
ーーーどうせらんらんも出荷されちゃうしぶたも死んじゃうなら、
あのとき柵から出ておさんぽしたらよかったなぁ
あの時のらんらんは出荷も死も、ぜんぜんわかっていなかったのでした。
わずかだと思いながらも時は永遠に続くのだと思っていたのでした。
かえるの?と聞くぶたはどんな気持ちで言っていたんだろう。

ぶたと見たことない草むらをおさんぽする想像をしました。
それはとてもしあわせなそして悲しい光景でした。ついにらんらんの上に鉄の音が降り注ぎました。