>>171
着古されたジャージを脱ぎ捨て、変わりに七五三のように着飾った女が店を出るまで、私はドアに向かって深々と頭を下げた。
手に残ったのは女が着ていたジャージ、そして女とあの男がこれからあの人を殺しに行くという情報だ。
あの人の婚約相手と昔なじみかなんだか知らないが、あきらめの悪い男だ。
私は満面の営業スマイルを納めると、引き裂かんばかりにジャージを握り、バックヤードへと向かった。