Y学園は某地方都市にある私立の男子校だった。いまどき珍しい全寮制の学校で、市街地から遠く離れた山の麓の敷地には、生徒はもちろん教師や食堂の調理師、清掃員に至るまで男しかいない。

そんな学園のこうもんの前で、校舎を見上げながらため息をつく男が一人いた。