とはいえ料理初心者の婆には簡単なメニューしか作れない。というわけで婆のリクエストのアクアパッツァは無視してオムライスを作ることにした。
まえずは卵を四つボウルに割り入れる。
まずは一つ目。シンクの角に叩きつけてヒビを入れたところドロリと白身が出てきた。
慌ててボウルの上に持っていき割り入れる。随分と殻が入ってしまった。
だがまだ卵は三つある。たかが四分の一の失敗だ。次頑張ればいい。
二つ目。今度は身長に叩いてみる。ヒビが入らない。もう少し強く叩く。やはりヒビは入らない。
更に強く叩くとまたしても殻が砕けて白身が出てしまった。
ボウルには結構な量の殻が入ってしまったがまだ半分だ。まだ卵側にも逆転のチャンスはある。
三つ目。今度は上手い具合にヒビが入った。ヒビに指を入れる。卵が砕ける。
なにまだ一つ残っている。こいつを成功させて有終の美を飾ろうではないか。
四つ目も砕けてしまった。卵をとくと大量の殻でジャリジャリという。とはいえ最近レスバばかりしていた婆にはいいカルシウムになるだろう。次は味付けだ。
味付けにはめんつゆを使う。万能調味料だ。これさえあれば全ての料理が作れる。
二周半ほど回し入れる。黄色かった卵液が茶色くなる。次はいよいよ焼き入れだ。
フライパンにバターを溶かし卵液を半量流し入れる。菜箸で混ぜて固まってきたところで火を止める。
と、ここで大変なことに気がついた。チキンライスを作っていない。
フライパンは一つしかない。仕方ないので白米にケチャップを混ぜるだけのケチャップライスを作る。
しかしこれではあまりに味気ない。なにかないかとパントリーを漁るとギョニソが出てきた。これなら加熱しないでも食べられる。
ギョニソをケチャップライスにザックリと混ぜ合わせる。見た目はほとんどチキンライスと同じだ。これならきっと婆は騙せる。
ギョニソライスを半量先程の卵に乗せフライパンの柄をトントンと叩き綺麗に包んでいく。
皿に盛り付けケチャップで婆の推しちゃんを描いてやる。我ながら上出来だ。
もう一人分も同じような手順で完成させ婆を呼ぶ。オチは特にない。これで終わる。