爺井「…………」
婆室「……どうしました?」
爺井「あ、君まで起こしてしまったか。今日は外がやけにうるさくて少し気になってしまってね」
婆室「たくさんの花々のある大きな庭に囲まれたこの家の中にいてまで聞こえますか?聞こえてももう私たちには関係のない音ですよ」
爺井「そうだな。気にし過ぎか。」
婆室「そうです。目を閉じて草木の揺れ音や虫の声に耳をすませてもう少し眠りましょう」
爺井「ああ。そうしよう。君と迎える新しい朝が素晴らしいものになるように」
婆室「……そうですね。どれだけ受け取っても慣れない素晴らしい朝がきっとまた訪れますよ」
爺井「……ははは、午後には子供の笑い声も混じってくるな」
婆室「本当に素敵な日々ですね」
爺井「ああ。そしてそこに君もいる。何物にも代えがたい幸せだよ」