婆室「……貴方起きてます?」
爺井「……ん?ああ。どうした?寒いか?」
婆室「いいえ。貴方と一緒の布団の中はいつだってあたたかいですよ」
爺井「そうか。ではどうした?」
婆室「この間伊勢に旅行したでしょ?その時に素敵な絵葉書を買ったじゃないですか。それを大と昴に送ったんですよ。久しぶりに顔が見たいからたまには顔を見せなさい、と一言添えて」
爺井「ああ。」
婆室「そしたら早速大から今日メールで返信があったんです。近々帰るって、ね」
爺井「……まったく彼奴はいつでも君の言うことはすぐにきくな。完璧な"Mommy"s boy"さ」
婆室「ふふふ。そうですかねぇ」
爺井「昔からそうさ。……まぁ男はいくつになってもMomが好きだからな。特に君のように美しく強く優しいMomなら離れられないのは仕方ない話だ。俺だって君がMomなら同じだろう」
婆室「そうですか?…でもやっぱり来ると思うと嬉しくって。今から来る日は夕食は何を作ってあげようか考えちゃってますよ」
爺井「そうか。君が嬉しいなら良かったよ。俺もまぁ、悪さはしてないか確認だけはしとかないとな。……ただ……まあアイツが顔を出すとなるとちょっとばかり賑やかになるな」
婆室「ふふふ。そうですね。特にあの子は大丈夫ですかね?大って不器用だから。構って欲しくてわざと顔チラッと見せて意地悪したり、言葉の足りない意地悪な言い回しばっかりでしょう?本当に出会った頃の貴方にそっくり!」
爺井「……いや、もうそれを言われると何も言い返せないな」
婆室「似なくてもいい所が本当に親子そっくりなんですもん。見てて笑ってしまいますよ」
爺井「……俺も見て恥ずかしくなることがあるよ」
婆室「ふふふ。まあそんなところも真実を知ればただの可愛いところなんですけどね。ただまだあの子は幼いから真正面から素直に受け取っちゃうから、ちゃんと見てないと」
爺井「そうだな。……そうか、大が顔を出すのか。まだ近々と言うことはまだ日取りは決まってないようだが少しばかり気にしておこう。……面倒事にならなきゃいいが」
婆室「……まぁ、きっと面倒事になるでしょうね。ふふふ。」
爺井「……ああ。間違いないな。」